星の雨２

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桃side


重岡さんが前世の話始めてから、
ドキドキが止まらへん。


まさか、自分以外にも覚えてる人が存在してるなんて。


流星も信じてくれる？


俺らが、前世で夫婦やったってこと。


「望もしげと同じ夢見たってこと？」


流星が興味持ってくれた。


「多分・・・設定は全くおんなじ」


「へえ。おもろいな、それ。
もっと詳しく聞きたい」


目を輝かせて聞いてくれたけど、
詳しいもなんもな。


思い出す場面はそんなに多くはない。


一番浮かぶのは、


京都の大豪邸の庭先で、

流星と、息子やと思われる、素朴な雰囲気の男の子と、

３人で空を見上げて、流星群を探してるシーン。


当時の俺は、強い願いがあるらしいて。


瞬く間に消えてしまう流れ星に、それはもう真剣に祈るねん。


「ほんま？流星、笑えへんの？」


「笑わんよ。
前世なんて信じてなかったけど。
聞いてら興味湧いた。
なんか嬉しかったし。
今から、もっと詳しい聞かせて？
場所変えよっか」


「え？」


驚いてるうちに、流星、さっと立ち上がってしもた。


「俺ら、もう行くわ。
明日も早いし。
照史、社長によろしくやで？」


さらっと言うねんて。


「りょー」


緩い照史さんの言葉。


「気をつけてなあ？
撮影、頑張って」


神山さんは律儀。


前世で親友やったせいか、
神山さんには、先輩感、感じられへんくって困るねんなあ。


重岡さんに至っては、俺らのことなんか目にも入ってへん。

隣の神山さんにでれっでれ。


流星と個室を出て来たけど、濱ちゃんのことが気になる。


外の空気吸うって、どこ行ったんやろ？


俺を送ってくれるために、お酒は飲んでなかった。


「望、二軒目行く？
それか、俺んちで飲み直す？」


流星の言葉にドキッとなる。


「濱ちゃんに聞いてから・・・」


「望、もう２１の大人やろ？
マネージャーの意見なんかいらんやん」


「そやねんけど」


濱ちゃん、どう思うかな？


俺の返事なんか待たずに、
流星はタクシーに手を挙げてる。


好きな人に誘われてんもん。


ついて行かへんなんて選択肢はないよな。


自問自答してる俺の目に飛び込んできたのは、

疑うような光景。

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