星の雨２

番外編。(赤緑) ページ41

緑side


いくら何でも待ちくたびれた。

もう待たれへん。


まずは、出会ってから既に５年以上や。


もしかして、お互い意識してる？って気付いた時からでも、

悠に２年は経ってる。


やっとのことで、ひと月前、


「神ちゃん、良かったら、俺と付き合って下さい」


しげから、ど直球の告白を受けた。


ほんま、どんだけ待たせるねんいう話やねんて。


その上！何なん、何なん、マジで何やねん、あの男！


ちっとも、手ぇ出してこおへんやん。


偶然、手ぇ当たったら真っ赤なって、
ものすごい勢いで離れるねんで？


これで付き合うてるって言える？


これじゃ、前より関係性が後退してる。


元々同じ事務所で、
ソロで俳優や歌い手してる俺らやけど、

最近、かみしげ１セットで一緒の仕事を頂くことが多い。


それ自体はありがたいことやし、
そばにいられる時間は増えた。


けど、そのせいか相棒感が強なってしもて。


余計に、恋人っぽさをなくしてってる気がする。


今回、初めて二人でCD出すことなって、
その特典映像の撮影現場。


スタジオで軽くサッカーして遊んで下さいって言われたもんの。


俺、球技下手くそやし、

しげは結構ガチ勢やしさ、


一方的に点取られるばっかで、
楽しそうにならんか、ならへん。


見兼ねたしげが、
ドリブルとシュートの基本から教えてくれてん。

距離の近さに、ドキッとなったんは、内緒。


真剣なしげの横顔、カッコええねんもん・・・


けども！


「神ちゃん、おもろい。
ほんま球技苦手やん！なんでそうなるん！」


ゲラゲラお腹抱えて笑ってたんには、
心底むかついてるからな！


「一旦休憩入りまあす！」


スタッフさんの声掛けで、控え室に戻る。


当たり前やけど、二人きり。


しげ、意識し出したんか、
俺が長椅子の真ん中座ったら、
めちゃ端っこの方に座るねんで？


あり得る？


俺の寂しさなんか、つゆ知らず。


「智花ちゃんも鞠付苦手やったもんなあ。
何回ついても手ぇから勝手に離れてまうねんて。
言い訳して可愛ええねん。
やっぱ繋がってるねんな。
前世でも俺が教えてあげてんで？」


しげはまた、楽しそうに前世の話してる。

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