星の雨２

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「今の望は男やし。
髪飾りは無理やから」


取り出した指輪をかざして見せて、望の手を取る。

緊張で、手が震えてきそうや。


なんべんも確かめたから。

サイズは間違えてない。よし。


「嬉しい・・・
濱ちゃん、ありがと！」


「似合うてるな」


呟いた時、望の方から、可愛ええキスくれた。


「望、今のはヤバい、反則や」


「ふふ、ドキドキした？」


「おん。
まあ、もう、ずっと、望にはドキドキさせられてるけどな」


「そんなら、・・・濱ちゃんも俺をドキドキさせて？」


「え？」


もじもじしてる望の態度に、
キスねだられてるんや、って、理解して。

デレが止まらへんなってまう。


それを押し隠して。


望の頭の後ろに手を回す。


そっと引き寄せて、唇に触れかけた、その時。


「あっ！！！流れ星！」


望が歓声をあげた。


無数の星の雨が、俺たちを包み込んでる。


しばらく、降り注ぐ星の群れを眺めてて・・・


「綺麗やな、望」


ふと、隣の望を見やると。


涙をぽろぽろ流してた。


「覚えてる、この景色。
隣にいたのが誰かも。
全部、全部、大切な想い出」


「望・・・思い出したんか？」


「うん。
やっと思い出せた。
俺の運命の人は、
前世でも現世でも、濱田崇裕、あなただけです」


「この子はほんまに。
さらっと殺し文句、言うねんから・・・」


望を抱きしめて、今度こそ、キスを交わす。

まるで夜空に浮かんでるみたい。


望となら、怖さなんて、微塵もない・・・











山を降りながら。


「濱ちゃんがキス魔になったせいで終電なくなったやん」


ぶうすか言うてるけど、望はどっか嬉しそう。


「民宿の人に頼んで、部屋取ってもらってあるから」


「確信犯やってんな！」


「そら、そこは抜かりないやろ。
好きな子と二人きりになれるチャンスやで？」


「ふふ、濱ちゃん、可愛い」


「生意気な子や」


「俺は、前世みたいに、掘建て小屋でもええのに」


「そんな詳しい思い出したん？」


「うん。
濱ちゃんが、干し草のベットでさ、
着物脱いだ俺のことえろい目で見てた」


「人聞き悪い言い方しなさんな」


「事実やもーん」

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