星の雨２

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インフルには打ち勝ったものの、
気持ちはしんどいまんま、
仕事に復帰した。


マネージャーとして望を支えていく、

関係性は、前と何ら、変わってないのに、

おかしいよな。


俺だけが身動き出来へんまま、
時間だけが流れていく。



４月からの３ケ月。

望は、ツインタワーとして、
ファースト全国アリーナツアーを回ってる。


ステージの上、

流星と並んで、キラキラのライトを浴びる望。


どんどん遠くなる。

俺の手の届かへんところへ行ってもうた。


いや、最初から、

俺と望では、生きてる世界線が違うてたんや。


望の屈託のなさに、俺が勘違いしてただけで。




７月のオーラスを終えた頃。


久々に、照史に誘われてやって来た、行きつけの飲み屋。


「崇裕、大丈夫か？」


開口一番に言われたのが、この一言。


「なんが？」


とぼけてみたけど、上手くいってへんかったらしい。


照史が眉を下げて、ますます困り顔になった。


「崇裕、痩せ過ぎ。もっと食え」


照史が、
焼き鳥やらシーフードサラダやら、
じゃがバターやら、

ひたすら勧めてくる。


「これは体質や」


食べれてない、眠れてない日々。


毎日、目の前で、
好きな子が恋人といちゃついてんねんもん。


それで平気でおれるって、
そんな鋼のメンタル持ってるやつおらんやろ。


「あんな、実はさ、話があって、崇裕、呼んでん」


「何？ついに社長と結婚でもすんの？」


「あほ言え。
淳太くんの実家、
由緒ある家柄で、厳粛やねんぞ。
俳優で、その上男なんて、
許してもらえるわけないやろ」


「そうか・・・。
なら、何の話？」


「しげが前に飲んだ時、言うてたやん？
前世がどうのこうのって」


「ああ、照史も思い出したん？」


「いや、俺はさっぱり。
けど、その話を、なんか唐突に思い出して。
最近、淳太くんにしてみたんよ」


「うん」


「ほな、淳太くんも覚えてる言うねん。
全く、しげと同じ時代で設定やねん」


「そう、なんや」


「そやけど、しげの話とは一つ違うとこがあって。
淳太くんの記憶では、
望の相手は、流星やなくて、崇裕やって」


「え・・・」

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