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真夏の正午。今日は比較的涼しいと言っていたものの、夏であるのに変わりはない。じわりと滲む汗をタオルで拭うと、隣からぱたぱたと服で仰ぐ音に混じって欠伸が聞こえてきた。
「悪いね進兄さん。休みの日に呼び出して」
「それはいいけど…。どうしたんだ？」
「A…、俺の後輩とチェイスが、デートするって…」
物陰に隠れていると、誰かが掛けてくる足音が聞こえて、植え込みからそっと様子を窺う。音の主は例の後輩。
「お待たせしてしまってすみません！」
「いや、俺も今来たところだ」
まるで本物の恋人のようなやり取りに胸がちくちく痛む。いつの間にこんなに女々しくなってしまったのだろうか。そんな自分に、皮肉めいた笑いとため息が漏れた。
「チェイスさん、いつもの服と違うんですね」
「やはり変だろうか」
「そんなことないです！普段の服もお似合いですけど、今日は一段と輝いてます。私なんかが隣を歩くのが申し訳ないくらい…」
若干の照れを含んでそう告げた後輩の言葉を聞いて、チェイスの方へ視線を向ける。先程まで他人だと思っていた人物は、どうやらチェイスだったらしい。
「チェイスのやつ、ちゃっかり服装キメてるし！なんで！？」
「…な、なんでだろうな〜」
いつものパンクロックみたいな全身紫の服から一転、淡い紫のサマーニットに、裾からちらりと覗く白いロングのTシャツ、黒のスキニーを合わせた服装は、まさに今時のデート服といった印象。なんだ、このこなれた感じの服装は。
進兄さんに聞いても知らぬ存ぜぬの一点張り。こう言っては失礼かもしれないが、チェイスに服の装いを変えるだなんて思考があるとは思えない。誰の入れ知恵だ。
「あ、動き始めたぞ？」
進兄さんのその一言で飛んでいた意識が現実世界に戻ってくる。慌てて進兄さんの腕を掴み、二人を追いかけた。
「俺たちも行くよ、進兄さん！」
「分かった！分かったから引っ張るなって！」
見つからないように後をつけると、辿り着いたのは映画館。二人はそのままカウンターへ行き、券を取り出して中へと入っていった。これは俺の予想だが、恐らく観るのは最近人気の若手俳優が主演を務めた純愛映画なのではないだろうか。チェイスは恋について知りたがっていたワケだし、たぶん俺の推理は合っているはず。
「ちょ、剛っ、俺たちも観るのか！？」
ぼんやりとポスターを眺めていた進兄さんの背中を押して、自分たちもカウンターの方へと歩みを進めた。
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横峯俊(プロフ) - 星野よだかさん» 私もたまにやってしまいます・・・予測変換って怖いです (2020年1月30日 21時) (
レス) id: c8474ba40d (このIDを非表示/違反報告)
星野よだか(プロフ) - 横峯俊さん» ひぇぇお恥ずかしい！盛大に間違えてますね…お見苦しいものを載せてしまい申し訳ございません！ (2020年1月30日 14時) (レス) id: 61486b168d (このIDを非表示/違反報告)
横峯俊(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いてます。一つ変換ミスを見つけたので、修正お願いします。壇黎斗のとの字の漢字が変換ミスしてますよ！これからも応援します (2020年1月30日 12時) (レス) id: c8474ba40d (このIDを非表示/違反報告)
星野よだか(プロフ) - ゆずさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！詩島剛は特に気合入れて書いていたのでそう言っていただけて安心しました。拙い文ですが、これからもよろしくお願いします！ (2019年9月23日 20時) (レス) id: 61486b168d (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - よだかさんの書く剛好きでした！これからも応援してます！ (2019年9月23日 19時) (レス) id: 59916f9a2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星野よだか(ほしのよだか) | 作者ホームページ：なし
作成日時：2019年8月15日 20時
