気にくわないのは隣のダチ ページ22
「聞いてくださいよ先輩〜、私、先日車に轢かれかけたんですけどね」
「は！？聞いてないけど！」
「言ってませんし」
後輩から突然のカミングアウト。普通轢かれかけたともなれば、混乱したり、多少なれども心的障害を負ったりするのでは。しかし目の前の後輩はいつも通りけろりとしている。大丈夫か、と聞いても、先輩は心配性なんですって、とあしらわれるだけ。
「話戻していいですか…？あのままだと、私確実に轢かれてたんですけど、後ろから誰かが助けてくれて。全身紫の服で、名前も言わずに立ち去っちゃったから誰か分からないんです」
「そ、それって…」
もしかしなくても、アイツしかいなくね。知ってたら教えてくださいと頼む後輩に素直に教えるべきかどうなのか。自分の良心と、教えたくないという思いの狭間で唸っていると、特状課の扉が開いた。
「どうした、剛。進ノ介が呼んでいたぞ。…客か？」
どんなタイミングで来てるの！がんっ、と思い切りテーブルにぶつけた額が痛い。目の前の後輩は突然の俺の奇行に驚いている。
幸いなことに、扉に背を向けて座る後輩にはアイツの姿は見えてない。よし、何としてでも二人のエンカウントは阻止してやる。今だけ俺は悪役だ。
「ん、あの時の…」
馬鹿ぁぁぁぁぁ！！！
後輩が気付く前に特状課から追い出そうとしたのに、アイツ、先手を打ちやがった。ああ、もう、Aが気づいたじゃないか。
「あ、えっと、その節は、本当にありがとうございました」
「危険に晒された人を助けるのは人間のルールだ。キミに怪我がなくてよかった」
誰だお前。ぎこちないが、どこか微笑んで見えるチェイスに違和感がフルスロットルだ。Aの反応が恋する乙女みたいでイライラする。なに、チェイスは学校の先輩ポジなワケ？俺はリアルで先輩だけど？
がじがじとストローを噛んで二人の様子を眺めていると、Aが頭を下げて部屋から出て行った。どうやら姉ちゃんに用事があったのを思い出したらしい。
Aが去った後も扉を眺め続けるチェイスに声を掛ける。不機嫌さを隠すつもりもなく、頬杖をついて目の前に座ったチェイスを睨んだのだが、そんな俺の気持ちがコイツに分かるはずもなく。真顔で、どうした、と尋ねたチェイスに、少し意地悪な質問を投げかけた。
「俺の後輩、可愛いっしょ？」
「ああ、確かに。小動物らしさがあるな」
「…やっぱりお前ムカつく」
拝啓姉ちゃん。面倒な奴がAに目をつけました。
恋敵が多すぎます。
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横峯俊(プロフ) - 星野よだかさん» 私もたまにやってしまいます・・・予測変換って怖いです (2020年1月30日 21時) (
レス) id: c8474ba40d (このIDを非表示/違反報告)
星野よだか(プロフ) - 横峯俊さん» ひぇぇお恥ずかしい！盛大に間違えてますね…お見苦しいものを載せてしまい申し訳ございません！ (2020年1月30日 14時) (レス) id: 61486b168d (このIDを非表示/違反報告)
横峯俊(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いてます。一つ変換ミスを見つけたので、修正お願いします。壇黎斗のとの字の漢字が変換ミスしてますよ！これからも応援します (2020年1月30日 12時) (レス) id: c8474ba40d (このIDを非表示/違反報告)
星野よだか(プロフ) - ゆずさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！詩島剛は特に気合入れて書いていたのでそう言っていただけて安心しました。拙い文ですが、これからもよろしくお願いします！ (2019年9月23日 20時) (レス) id: 61486b168d (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - よだかさんの書く剛好きでした！これからも応援してます！ (2019年9月23日 19時) (レス) id: 59916f9a2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星野よだか(ほしのよだか) | 作者ホームページ：なし
作成日時：2019年8月15日 20時
