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赤、青、黄色、白、チカチカと眩く輝く視界は、この世が見せているものではないのだろう。意識はあるのに体は動かなくて、それでも、腕の中にある温もりに安心する。
走馬灯のように頭の中を駆け巡る記憶の数々。その中のどれを取っても側にはAがいる。圧倒的に笑っている姿が多いけれど、心霊系が苦手なくせにその類の番組を見て怖がっていたり、揶揄いすぎて分かりやすく口を尖らせて拗ねていたり、泣けると話題の映画を観て、真っ赤に目を腫らして涙を流していたり。感情表現豊かな後輩を俺はどれだけ目で追っていたのだろう。
景色を撮るフリをしてシャッターを切ったのは一度や二度ではない。カメラのメモリを見られてしまえば、俺は怒られるのだろうか。そんな姿も見たいと思ってしまうほどには、俺は手遅れらしい。
「先輩」
鮮やかな視界が一瞬でモノクロに感じるほど、その言葉は沢山の色で彩られていた。自分でも分かるほど単純すぎるそれに、思わず苦笑いが溢れる。あくまで冷静を装って返事をしたのだが、予想外に上擦った声が空気を揺らした。
「…何緊張してるんですか。さっきまであんなに頼り甲斐あったのに」
「してないしてない。びっくりしただけだから」
「嘘つき。だって、先輩の声焦ってる」
楽しそうにくすくすと控えめな笑い声が鼓膜に響く。その表情を直接見ることが出来ないのがとても残念だが、想像だけで可愛いのが伝わるからいいことにしよう。
「本当、先輩といると元気出ます。…普段は気恥ずかしくて言えないけど、尊敬してますよ。誰よりも格好いい、私の自慢の先輩」
普段のAからは想像も出来ないほどか細い声。照れを隠すように途切れ途切れに紡がれた言葉に、俺の心はどれだけ乱されたことか。そんなことを言われたら、我慢してきたものが一気に溢れてきて。口を突いて出た、好き、という言葉。
「剛、Aちゃん！だいじょう、ぶ…」
「霧子！剛たちは……」
「…タイミングさいっこうだね、二人とも」
は、残念ながら姉ちゃんと進兄さんにかき消された。ようやく戻った視界に違和感を感じながら視線を下に落とす。絡んだ視線の数秒後、Aは慌てたように腕を振りほどき、姉ちゃんの方へと向かってしまった。
後に、無理やり手を出すのは如何なものか、と二人にお説教を食らったのはまた別の話。勘違いだからね、二人とも。
書かなくても良かったんだけど、どうせなら、と続きも。詩島剛の恋愛は簡単に行って欲しくないですね(最低)
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横峯俊(プロフ) - 星野よだかさん» 私もたまにやってしまいます・・・予測変換って怖いです (2020年1月30日 21時) (
レス) id: c8474ba40d (このIDを非表示/違反報告)
星野よだか(プロフ) - 横峯俊さん» ひぇぇお恥ずかしい！盛大に間違えてますね…お見苦しいものを載せてしまい申し訳ございません！ (2020年1月30日 14時) (レス) id: 61486b168d (このIDを非表示/違反報告)
横峯俊(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いてます。一つ変換ミスを見つけたので、修正お願いします。壇黎斗のとの字の漢字が変換ミスしてますよ！これからも応援します (2020年1月30日 12時) (レス) id: c8474ba40d (このIDを非表示/違反報告)
星野よだか(プロフ) - ゆずさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！詩島剛は特に気合入れて書いていたのでそう言っていただけて安心しました。拙い文ですが、これからもよろしくお願いします！ (2019年9月23日 20時) (レス) id: 61486b168d (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - よだかさんの書く剛好きでした！これからも応援してます！ (2019年9月23日 19時) (レス) id: 59916f9a2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星野よだか(ほしのよだか) | 作者ホームページ：なし
作成日時：2019年8月15日 20時
