あいたい ２【WN】

５５ ページ5

心が風邪か・・・

治るのかな、この風邪・・・



泣きながら着替えもせずそのまま意識を手放していた







真っ暗な部屋・・・


あぁ・・・あのまま寝ちゃったのか・・・




手に違和感を感じて目を向けたら

暗闇の中に知ってるシルエット・・・




え・・・？・・・ウォヌ？




手を握ったままベットに上半身を置いて寝ていた




そっとウォヌの頭を撫でた

柔らかい・・・

変わらないね・・・

寝癖ついちゃうよ・・・




眼鏡を掛けたまま眠っている




「…ウォヌ……風邪ひいちゃうよ…」




ぴくっと動いた指




「…っん……ん？…A？…」

「…風邪ひいちゃうよ…」

「…Aだろ…風邪ひいてるのは…」

「…ふふっ…そうだね…」

「…っ寒…」

「……入っていいよ…」




布団を捲ってポンポン叩いた




「……お邪魔します……」




そっと入って自然に抱き締められてすっぽり閉じ込められた




「ひさしぶりだな…」

「ん…」

「なんで…風邪ひいたの？」

「…………ひみつ」

「……俺の所為？」

「違うよ……あたしの心の弱さ」

「……スニョンと喧嘩した？」

「…スニョンはいつだって優しいから…喧嘩にもならない…」

「…そうだよな…アイツはいつも優しいな…」

「だから…苦しい…申し訳なくて……あたし最低……」

「…Aが最低なら…俺は相当なクズだ…」

「…えっ…？」

「…リアには優しくないし、Aの事も大切にしてやれてるか自信ないし」



ウォヌはクズなんかじゃない

それに・・・



「大切にして貰ってるよ。今だって傍にいてくれてる…ウォヌはクズなんかじゃないよ。ずっとずっとかっこいい」

「Aだって…最低じゃない。可愛くて優しくて…ずっと守りたい存在だよ」



幼馴染って凄いんだね・・・



「…ウォヌっ」

「しっ…目瞑って…寝たふりして…」

「え…？」

「いいからっ…」



階段を上がる音がしてそっと開いたドア

ハニオッパが悲鳴に似た小さな声を発したら、スンチョリオッパがハニオッパを制してドアが閉まる音



JH「ヤー！あれはいいのかよっ！…」

SC「いいのいいの。…ウォヌがいたら大丈夫だよ」



階段を下りながらの会話が聞こえていた



「…いいんだ…これ…」

「ヒョンの許可があるならいいんじゃね？」

「…幼馴染で良かったね」

「ほんとに…ㅋㅋ」



抱き締めた腕に力を込めて頭を撫でる優しい手はいつもと変わらないウォヌの手だった














.

５６→←５４

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す