コイバナ【短編集】

きず ページ42

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それは、私にとって確かに残った、鈍くて黒くて血生臭いきずだった。

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私はもとより、話すことが得意ではない。

元々ここじゃないとこに住んでたから、最初は発音が違ったり言葉が無意味にきつかったり。

今でもイントネーションの違いは直らない。


そんな風にどうしたって周りと違う私は、違うことを知っているからこそ、みんなと同じように扱われないのがとても嫌だった。

私も、「あなたの仲間に入れて」ほしい。

私も、「あなたと仲良く」したい。


そうやって叶うことのない願いばっかり増えていく。

どこにも休めるとこはなく、1人寂しく孤独で、寄り添うことを許されない。


「全てを受け止めるから、同じくらい私の全てを受け止めて」くれる人。それが今も探し求める、たった1人の運命の人だと思うの。

親友と喋っていたって私が空っぽなのを見せつけられる


自尊心なんて、ない。

認めて欲しいとも、思わない。

認められるほどの人だと、思えない。


中途半端に頭がいいせいで、上を知っている。

中途半端に賢いせいで、自分が偉いと思っていた。

中途半端にいじめられたせいで、私は生きてちゃいけないのだと知った。


「なんで生きてるの？」

と答えられれば、即答できる自信がある。つまり、

「この世の中に娯楽が存在していて、ゲームは私を傷つけないから」


だれか1人でいいから認められたい。

秤が壊れてしまった私は、自分に嘘をついてしまう。


(ヒーローみたく、誰かさらってくれないかな)


しぬ気力もないから、だれかころしてくれないかな。

ー

孤立して、傷を負った少女は人の愛を求める。

けれど、甘え方のわからない、他人に心を許せない彼女をだれもみてくれない。

少女は諦める。

誰も攫ってなどくれないことを知って、未来に願う。

どこかにいた少女の、叶わなかった願い。

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微妙だなと思った過去作品を非公開にしました。
続編に移行するつもりです。お待ちください。あと5話です！
ハッピーエンドをお届けしますね！

追記

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