新人スタッフさんは俺の

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「忙しいのに何しとんのよ、ちゃんと身体休めてよ。
物件探しって大変やろ？もう、………まって、ちょっと待ってね」



そう言うと、パスケースを震える手で大事そうに包み込んで、俯いてしまって


ズズ、と聞こえる音に、また愛おしさを覚えた




『A、泣かないで』


「…むり、泣き顔とか1番ブサイクやもん」


『全部可愛いよ』




頬に手を添えて顔を上げさせると、目を真っ赤にして泣きながらも、口角はしっかり上がっている




「めっちゃ嬉しいんよ、ずっとね、ひかるが家に来てくれて帰ってく度に、帰らんといてって思ってたもん」


『なにそれ、可愛すぎんじゃん。今度から同じ家に帰ろう』


「うんうんうん、ひかる、ありがとう。大好き」




「うわあ、めっちゃ鼻水出るわ、」なんて、ズルズルいいながら鼻をかんで


いやぁ、ふふ、好きだなぁ笑





『明日も早いし早く寝よ』


「うん、もう終わっちゃうの寂しいけどな」


『んふふ、A毎日楽しそうだったもんね。次のツアーも一緒に頑張ろう』


「ひかるも人のこと言えんよ〜？めっちゃ楽しそうやった。
来年またすぐ滝沢歌舞伎やしな、一緒に頑張ろうね」





愛用しているトートバッグにパスケースを付けて、ベッドへ寝転んで




『じゃあ、俺部屋戻るね』


「え？一緒に寝んの？」


『えー？Aが一緒に寝たいって言うなら寝てあげても良いけど』




まあ最初から一緒に寝る気満々だったけど、少し意地悪をしてみたくなっちゃって


この俺が自分の部屋に戻るわけ無いでしょ？




「…一緒に寝たいで、早く来て」


『んふふ、仕方ないな』




ベッドに2人並んで、彼女を俺の腕の中に収める


ちっちゃいなぁ、可愛いなぁ、いい匂いする




「なあひかるさん」


『ん？』


「…ずっと、そばにいてね」


『ふは、当たり前でしょ』


「んふ、おやすみなさい」


『おやすみ』




Aを抱き締めている逆の手で、小さな手をとって指を絡めて握る


この手だけは、何がなんでも、一生離さないよ

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