夢をくれた幼馴染みへ捧げる野球人生 3

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「明日は稲実…、か…」

またあのピッチング見られるかな。

「A聞いてくれよ！！」
「？」

ガラッと食堂があいて栄君と暁君が入ってくる。

「御幸が、御幸が！！」
「15失点って」

……なんの、話だろう。
あと、どうして私に？？

「あんの性格悪いのなんなんだ！」
「今日、14失点…、1点増やされた」
「あ、試合のこと、か」
「なんなんだよあいつー！！」

またからかって楽しんでたのかな…？
でもあの性格は…もしかしておとーさんの影響？

「な、なんかごめんね？」
「なんでAが謝るの？」
「な、なんとなく…」
「ところでこんな遅い時間まで何してんだ？」
「ちょっとビデオを」
「ビデオ？」
「これどこのだ？今日のじゃないよな？」
「これは明日戦う稲実との…去年の試合。ゆきくんや高島先生にお願いして見せてもらったの」
「なんで去年？」
「ちょっと…」

この時よりも、また大きくなってるのかな。
球、1回も打てなかったな。

「…僕も頑張るから見てて」
「え？」
「俺だって！絶対エースになるからな！」
「う、うん？」
「もっかい走ってくる！」
「僕も！」

あ、嵐が去った？

(A、もう見終わったか？)
(ゆきくん、何かしたの？)
(え、なんで)
(さっき栄君と暁君、こっちきた)
(はっはっはっー、べーつにー)
(ふぅん)
(ちょっとAちゃん、もうちょっとこっちに興味持っても良くない？)
(ゆきくん、おとーさんに似てきたね)
(え、やなんだけど)

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