第8球 いざ一軍に向けて ページ48
Aside
ピピピ ピピピ
目覚ましがなってる…。目開けて起きてるはずなのに、何故か真っ暗。
ちょっとだけ、身動きとれなくて苦しい。時計、止めないと。また、眠く……。
ピピピ ピピピ ピピ
止まった…？
少しだけ光が見える。あ…。
「起きてた？Aおはよう」
「お、はよ、ゆきくん…」
ゆきくん…どうしてここに…。
「まだ眠そうだな」
「ん…ねむい…」
「起きるぞー。朝練もあるからな」
「んー…」
頑張って体起こしてぼーっとする。
昔から少し待ってないと、ちゃんと頭覚醒しないんだよな…。
「俺も部屋戻って準備してくるからよ、二度寝すんなよ」
「ん…へーき…」
ポンポンっといつも通り撫でられ、ゆきくんは自分の部屋へと戻った。
…そういえば、どうしてここで寝てたのか聞いてなかったなぁ。
(気にされてないっと。気を許されすぎるのも考えもんだぞおい)
グラウンドに向かうと、結構もう選手の皆がいる。早いなぁ…。
「Aちゃん、おはよう！ 」
「春ちゃんおはよう…」
「まだ眠そうだねー」
「春ちゃんは、もう覚めてるんだね…」
「実はちょっとだけいつもより早起きしちゃって。日が出るのが早くなったからかな」
「そっか。もう少し早めに起きてみる、か。やってみようかな」
「人それぞれだからね。でもAちゃんが朝に弱いの初めて知ったなー」
いつもは、もうとっくに覚めてるはずなんだけど、おかしいな…。
「Aおはよう」
「降谷君、おはよー」
「後で教えて」
「え、と」
「連絡先」
「うん、わかったー」
「それじゃ」
結局昨日の夜、教えてあげられなかったもんね。
「おはようございやす！！！今日も一日宜しくお願いしやす！！！」
この元気な声は栄君だな。
「おはようAちゃん。まだ眠そうだね」
「春くんおはよう」
「A！おはよう！！今日も頑張ろうな！！」
「う、うん」
「栄純君、声大きくてAちゃん困ってるよ」
「あ、悪いっ」
「へーき」
「ならよかった！俺走ってくるな！」
「またね」
…今日、声かけられること多い。どうしたんだろ。
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作者名：星河実羽 | 作成日時：2023年9月9日 14時
