第8球 夜のひととき ページ42
あれから、嬉しさあまり結構投げてしまった。途中から降谷君も打席に立ってくれたから、お互いいい練習になってよかった。
「次は打つ」
「ははっー！やってみろー！」
やっぱりストレートは見切られると打たれやすいな。まだまだ投げ込み必要かな。
「わかってると思うけど、今日はこれ以上投げんなよ。あと明日は試合あるからベンチな」
「え？応援席じゃないの？」
「スコアつけるだろ？」
「それは応援席でもできるし」
「僕のピッチング見てよ」
「あ、あの話を」
「監督にも呼ばれるぜきっと」
私にそんな求められても。
「そのためにもまずは飯、ちゃんと食わないとな！」
「「うっ 」」
暑くなるにつれ、食欲もだんだん無くなってくるんだよな…。
皆最初に食べたのか、今食堂はほとんど人がいない。
「あらAちゃん、今日は遅いのね」
「ちょっと夢中に、なりすぎちゃって」
「あらあら頑張り屋さんね。今日のデザートはプリンよ」
「プリン！」
「量は少なめにしたけれど、まだ食べれそうならおかわりしてもいいからね！おばさん張り切っちゃう！」
「こ、これでも充分多いです…」
おかずも色々あるから、結構量が多く見える。あ、でもきんぴらごぼうがある。美味しそう。
「はい、2人ともお待たせ」
選手用、やっぱ比べ物にならないくらい量が多い。
「ありがとうございます」
「ぅ…」
降谷君、もうギブアップしてる。
「お、あそこ空いてんじゃん。Aあっち」
「う、うん」
おぼんをとられた…。
人際がないところへと歩いていく。
「あ、ありがとう」
「どーいたしまして」
「失礼します」
「あ、降谷！」
ゆきくんが置いてくれたところに座ると、降谷君が隣へ座ってきた。
壁際だったから隣は1個しか空いてなくて…。
「お前、わざとだろ」
「なんのことでしょう」
「とぼけやがって」
ゆきくんは向かい側へと座った。
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作者名：星河実羽 | 作成日時：2023年9月9日 14時
