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「キャッチボールお願いしていい？ちゃんと軽く投げるから」
「私もあの球受け止めれたらいいんだけどなぁ」
「やめておいた方がいい」
無理って思われてる…？
「無理とかそうじゃなくて、単純に御幸先輩に怒られるから」
「怒られる？」
「うん、絶対怒ってくるよ」
「怪我するから？」
「そうかも知れないね」
でも降谷君の球取れなかった捕手の人でも、怪我はしてなさそうだった。
ならやっぱり私にも。
「投げるよ」
思考を止められた！？
「Aって結構わかりやすい」
「ど、どういうこと？」
「なんか、考えてること、なんとなくわかると思う」
「降谷君、凄いね。考えてるのわかるの、ゆきくんくらいなのに」
「うん。もしかして僕たち波長がかなり合ってるのかもね」
なるほど。
「合ってねーよ！！！そんな出会って数日でかなり合ってたまるか！！！」
ばあーーん！って入ってきた。そんなに急がなくても。
パアアンッ！
音といい、迫力といい、やっぱり凄いな。
どうやったらこんなに投げれるんだろう。
「降谷君って最初から、こんなに、投げれたの？」
「どうだったかな。気づいたら投げれた」
気づいたら投げれた…。気づいたら球速ってあがるもの…？
「壁とかで投げてたんだろ？」
「はい」
「ならいつの間にか上がるわな」
じゃあ私も早くなる時がくるっ。
「Aは？」
「え？」
「Aは何キロ出るの？」
「え、と…ひゃ、100くらいかなー、なんて…」
「…可愛くていいと思う」
情けをかけられた気がする…。
でも、ここずっと測ってないや…。
「あとで測ってみるか？」
「うん！」
速くなってるといいなあ。
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作者名：星河実羽 | 作成日時：2023年9月9日 14時
