夢をくれた幼馴染みへ捧げる野球人生２ (ページ32)

今日:7 hit、昨日:34 hit、合計:2,787 hit

第6球降谷君ページ32

「全くお前は！投手がヘッドスライディングなんかしてんじゃねーよ！！バカ！！」
「そ、そんなに言わなくてもいいと思う…」

試合が終わったと思ったらゆきくんが凄い勢いで来て、寮に連行され、お風呂に放り込まれ、いつも通りご飯も食べると私の部屋でケアされております。
全然、投げてないし、頑張ったのはあのバッティングだけだから、平気だと思うのに。

「体捻って痛いとこは」
「ううん」
「じゃあ次、ここ座って手を出せ」
「ここって…」
「俺の正面」

そろーっと座る。すると体を引き寄せられ体重を預けるような状態になってしまった。お、重くないのかな。

「手は…右？」
「両方やるから」

爪のチェックやら、ハンドクリームやら、念入りにチェックしてくれる。投手全員にこんなことしてるのかな…。

「久しぶりの試合で嬉しいのはわかるけど、あんまヒヤヒヤさせんなっ」
「怪我、してないよ？」
「結果的にな！！見ていて気が狂いそうだったんだぜ」
「ゆきくんが？」
「そー俺が。俺ならこうリードするとか、もっと楽に打てるよう塁に出るとか、なんで俺があそこに座ってないんだとかさ」
「今日は仕方ないよ。私も、出れるとは思わなかったし…」
「だとしても、気が気じゃねーんだわ」
「ゆきくんは心配性だね」
「…Aにだけだよ」
「え？」
「こんなに心配するこも、ケアするのも、マッサージとか他にも世話を焼くのも全部Aだけ。わかれよ」
「…ありが、とう？」
「はぁー…」

ため息つかれた…。ど、どうするのが正解だったの。