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「あの人またやってんのか、たくっ。最近天狗になりすぎだな」
「ゆ、ゆきくん」
「へーきへーき、ちょっとまってて」
ゆきくん絶対ちょっかいかけるっ。あの顔はかけるっ。
「あんな体でプロに行くってー！まじでありえねー！
見てみろよあの腹！おっさんじゃねーか！！」
あ、あの男の子っ。
「チャームポイントー！？それ短所だからー！！なーっはははっ！」
こ、怖いもの知らずっ。
まずい、まずいよ…。
「ごめんね東くん。この子田舎から出てきたばかりで何も分かってないの」
「んなあっ！？」
高島先生がおさめてくれた。流石です。
「この子投手なんだけど、本物のバッティング見せてあげてくれる？」
へっ？
あ、東さんに…？
「あー、俺は別にいっすよ。ただしこのガキが泣き入れるまでマウンドからおろさねーけどなー」
ほ、本気だ…。私も覚えてる。東先輩にフェンス超えしてホームラン打たれたこと…。ゆきくんには力の差があるから仕方ないって笑っていたけど…。
でも、実力は本物の、はず…。
「へへっ、面白そーっすね。礼ちゃん、そいつの球俺が受けてもいーい？」
ゆきくん、悪い顔…。
「おらああ！御幸ー！1年が出しゃばるんじゃねー！！」
「はははっ、すいませーん。けど東さん、最近天狗気味だし、若者とプレーをして初心取り戻した方がいいと思って」
「誰が天狗じゃおらあっっつ！」
ゆ、ゆきくん。ゆきくんと東さん2つしか違わないよっ。
「ゆ、ゆきくん、東先輩怒ってる」
「平気平気、礼ちゃんも言ってただろ？言いたいことあるならプレーでって。それよりAプロテクター付けるの手伝って」
私、ゆきくんの大丈夫も信用出来ない気がする。
「君が受けてくれると助かるわ。あの子面白い球投げるから。本人ですら気づいてないの。そのポテンシャル最大限に引き出してくれる？」
「へー、何それ。めちゃくちゃ期待値高いじゃん」
面白そうな目に変わった…。うわぁ…。
「そんな引いてるような目で見ないでよ、Aも来いよ。同じ投手として興味あるだろ？」
「私は…別に…」
「よし、じゃー行くぞー！」
聞いてくれてない…と。
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作者名：星河実羽 | 作成日時：2023年9月9日 14時
