夢をくれた幼馴染みへ捧げる野球人生 ２

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「球種は何がある？サインの確認をしたいんだけど」
「う、うん。よ、よろしく、お願いします」
「そんな固くなるなよ。相手は先輩だから緊張をするのも分かるけど…。それより球種は？」
「えっと、ストレートと、カーブ…それからスライダーにすぷ…ううん、変化球はこの2種類だけ」
「今もう1つ言いかけてなかったか？」
「この球はまだ未完成なの。上手く投げれるとは思わないし、ごめん、ね？」
「い、いや、別にいいんだっ。あと2つ引き締めていこう！」
「うん！」

一軍の人たちに何回か投げさせてもらってるけど、二軍選手はなんだかんだ初めて、の気がする。二軍選手だって、凄いんだ。気を引き締めないと。

「くー！！最後まで投げたかった！！」
「君、なんでこっち来たの」
「聞きてーことあるからだ！！御幸先輩、Aって投手としてどうなんすか」
「どうって？」
「俺たちあんなにパカスカ打たれてるんすよ。それなのになんていうか」
「Aが可哀想とでもいいてーの？舐めんなよ沢村ー。あいつ、力の差で負けてるだけで、なんだかんだ初見でヒットを打たれたことなんてそうそうねーよ。倉持を三振にしたしな」
「倉持先輩を！？」
「あの時は豪快なスイングだったねー」
「中学生女子になにまともにやられとんじゃっ！」
「いや、あれは御幸のせいっすよ！」
「俺、そんな難しいサインだしてねーもんねー」
「僕、興味ある。Aの球」
「べ、別に興味ねーとは俺だっていってねーよ」

(ところでお前らいつからAのこと名前で呼ぶようになったの)
(え？)
(嫉妬は見苦しいぞお前)
(なんとでもいいやがれ！)
(なんでダメなんスか？)
(沢村ちょっと黙ってろー)

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