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「黙って見てろ純。あいつがお前の尊敬する東さんを三振にしたやつだ」
「なあに!あいつが!?Aでもできなかったやつがー!?」
「うぅっ」
「ははっ、流石にパワー負けするんで、三振はちょっと厳しいですよ」
「ゆ、ゆきくんまで…。ちゃ、ちゃんと三塁打だもん」
「打たれてるけどね」
「うぐっ」
「亮さんあんまいじめてやんないでくださいよ。泣いちゃいますよー」
な、泣かないしっ。
「君、投手だったの?」
「え…」
私、降谷くんになんて思われてたの…?
「Aは見かけによらずいいピッチングするぞ」
「見かけによらず…」
「そうなの?」
「ど、どうかな…」
「ま、ずっとバッテリー組んでる御幸が言うんだ。投手としてはかなり評価は高いぞ」
「へー」
ごごごってオーラが見える。私に意識向かれてもっ。
「で、でも降谷君みたいに、球速や勢いがあるわけでもないからっ。結構打たれることも多いし…」
あ、ほくほくした。
「けどお前と違ってコントロールとか変化球のキレは凄いからな」
ゴゴゴゴって、ゆきくんっ、降谷君にライバル精神燃やされても困るよっ。
1年生チームがいいリズムになってきた。きっと栄君がでてからまた流れが変わってる。
そこで同室対決。
「増子先輩…、バット短く持たないのに」
「増子先輩には沢村の球質に気づいたんだ。だから軌道が変わる前に叩く作戦を立てたんだ」
1球目はフェンスに直撃。
ガシャーンっていった。
「打撃、凄い」
「流石元5番、フェンス壊す気かあのやろー!」
カーン!!!
といい音がなり、ホームランを増子先輩に打たれてた。
それなのに…、笑ってる。
あれだけ打たれても笑えるなんて。
「すごいな」
「ま、気持ちだけはタフなやつだな」
「うん」
「スリーアウト!チェンジ!」
それからはピシャリと抑えてた。残り2回の攻撃。どうでるか…。
8回の表はすぐに三者凡退となってしまった。ここを抑えて、次の攻撃少しでも点数を…。
またマウンドを見ればワンアウト1、2塁へとランナーがいた。
それなのにまだ笑ってられる。それほど、野球が楽しいんだな。
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作者名:星河実羽 | 作成日時:2023年9月9日 14時