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突破口を開く、そう言った栄君が宣言通りに突破口を開いてくれた。とりこぼしだけど…。
塁にでればランナーはランナー。そして次は…降谷君?
「すみません、自分はもう出番なさそうなので先に自主練を始めてていいですか?」
「お、おい」
「まだ試合中だぞ!」
あ、また無視した。
「ふ、降谷君!」
「ん?君も来る?」
「あ、えと」
「行こう」
ま、まだ返事してない。降谷君もしかして、結構強引なタイプ?
「いーのかい怪物君最後まで見なくて。あとその連れてきた子返して」
「もう終わってますよ、たった1人でチームを勝利に導けるほど野球は甘くないですから」
「ふぅん」
「…」
な、謎の睨み合い。
「ふ、降谷君、手を離して」
「なんで?」
「え…」
「何か困ることある?ないよね?」
あ、あるというかないというか…、とりあえずゆきくんが怖いことがあることかな…。
「すみませーん!メンバーチェンジお願いします!代打俺!」
りょー先輩?に似てる…。親戚…かな…?
何やらサインして…え、栄君には伝わらなかったようだけど、2人で1点とりかえしてた。
「あ、あのスライディング、あ、あぶなっ」
「ほんとになっ」
「…」
でも、この先輩からとった1点は大きいっ。
「?」
思わず力が入る。私も…、あの、マウンドで。
1年生に活気が戻り、栄君がマウンドに上がることになった。良かったね、栄君。
「形はどうあれ、闘志のない1年をやる気にさせたのは沢村だ。チャンスを与えられて当然だよな。監督もただの鬼じゃねーし」
「うん、栄君、頑張れ!」
「むっっ」
「おいおいなんじゃこりゃー!!!」
ひっ、この声は…。
「くぅおら!!!1年相手に何をやってんじゃこるらああ!!200点とらんかい!!!」
「ヒャハハ、純さん200点は無理っしょー」
「ほんと情けない試合してるなー」
この人たちほんと何しても元気…。
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作者名:星河実羽 | 作成日時:2023年9月9日 14時