第5球 1年生VS2、3年生 ページ22
1年生には全員出場のチャンスを上げると聞いて栄君凄いやる気だ。
「ははっ、また泣いてんのか?よかったじゃねーか、やっと練習に参加できるんだって?良かったじゃねーか」
「うっせ!あんた向こうのベンチだろ!Aもなんでそっちの方に!?」
「私、遠くから見てようかなって。スコアとかはとらなくていいっていわれたけど、試合は見ておきたいから」
「打球飛んできたら危ねーだろ。それに今日主力はオフだってよ、関東大会待ってるしな」
「けっ、なんだよあんたと対戦できると思ったのによ」
「ははっ、100年はえー!で、お前いつ投げんの」
「さあ、どうせ最後だろー。あのグラサンのことだから」
「じゃ特別に俺がアップに付き合ってやろう」
「栄君のピッチング、楽しみにしてるねっ」
「おー!やるぞー!!」
「やっぱやめようかな」
「なんでだよ!!!」
試合が始まり、皆は丹波先輩の投球に驚いてるみたいだった。今日はカーブキレてると思、う。
あれが決まったら結構手が出せないよね…。怖いし…。
「大人気ないように見えるか?」
「え?」
「確かに1年にとっては3年の球は未知のようなもんだし、打球の強さも半端ないだろうよ」
でも…3年生にとっては、最後の夏…。次が最後の大会、背番号貰えないとそこで、終わっちゃう。
「お前も大変だなー、あーいう先輩たちをもつと力でねじ伏せるくらいの覚悟がねーと、とてもエースには、おっと」
「やっぱダメだ。野球は見る側じゃなくプレーしないと」
栄君、やる気MAXだ。
それに比べて皆はとても辛そう。シニアでいい成績だしても、やっぱり経験の差が激しい…。それでもっていう気持ちがないなら…。
「私、でるのに」
「え?」
「試合、私でたい」
「…残念。決めるのは監督だ」
「それは、わかってるけど」
「苦しんでるって?ははー、苦しめ苦しめ!ここから這い上がらなきゃ上にはあがれねーぜ」
「それは…そうなんだけど…」
栄君じゃないけど、やっぱりプレーしてみたい。
「Aキャッチボールする?」
「え?」
「1年生があんな様子だ。今これ以上見てもなーんもAのメリットにはならないと思うぜ」
「応援…」
「Aが投げてる姿みたら、誰かしら心に火がつくかもよ」
「…やる」
「じゃまずは肩慣らしな」
(え、A?御幸とキャッチボール!?)
(…ずるい)
(…)
(おー、みてるみてる。さて、どう転ぶか楽しみだ)
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作者名:星河実羽 | 作成日時:2023年9月9日 14時