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ドーーン!!!
凄い音がした。男の子、えーと。
「北海道苫小牧中学出身、降谷暁。うちに来るためわざわざ一般入学してきました。今年の1年生で唯一遠投120m記録しています」
ふる、や君って言うんだ…。ブルペンではキリッとしてるけど、昨日はほくほくしてた。ギャップが激しい人なのかな。
「お、おかわりおねがいしまっうぷっ」
栄君だ。
「なんだお前、大分食えるようになったじゃねーか。初日は吐いてたくせに。若いやつは成長が早くていいねー」
手を引かれて隣に座った。あ、私はここ?
「ゆっくり食えよ、体に悪いぞ?」
「…皆静かだけど何かあったのか?」
「お前聞いてねーの?明日1年のチームと2、3年で試合やるんだぜ」
「何!?俺はそんな話し全然聞いてねーぞ!!俺はでれんのか!?なあ!!」
「俺、先輩だからー…」
「……ゆき先輩?」
「いや、お前は…うん、お前はそのままでいてくれ(心にくる)」
「あんたら結構な頻度で一緒にいるよな」
「だから俺先輩」
「栄君が入ってからは、ゆきくん栄君ともいると思うよ?」
何回か隣でご飯食べるくらいは。以前はどうだったかわからないけど、何度かゆきくん栄君に話しかけてる、と思うし。
「栄君?」
「うん、なかなか栄君の名前覚えれなくて…」
「ふーーーーん」
「え、な、なんすか」
「べーーーつにーー?」
「いやいや絶対なんかあるでしょ!というか、試合!試合ってなんだよ!!」
「本来ならうちの1年目は体力作りがメインでな。1年からレギュラー先行なんてしねーんだわ。けどこの前の試合で状況が変わってな」
状況…?いろいろ話してるし、丹波先輩に何かあったのかな…。
「あの、席いいですか?」
「あ、お前は」
「失礼します」
「おっ、あだー!なんでそこに座ってんだよ!向かい側開いてんだろ!」
「つーん」
あ、また無視した。
「御幸先輩、自分は明日ここにいる誰にも打たせるつもりはありません。そしたら明日僕の球受けてもらえますか?」
「なっ!?」
こ、怖いもの知らずっ。
ほ、ほら、先輩たち、結構きたよ。
あっちで、食べよ…。
「Aどこいく?」
「あっちで食べる…」
「あーなるほど。わかった」
「あ、ちょっ」
「後は1年2人仲良く食えよー」
1人でもよかったのに…。
「あんな大きい人たちに囲まれたらそりゃこえーよな」
「こ、怖くなんて…、皆良い人なの知ってるから」
「はいはい」
ゆきくんと軽く話しながらもくもくと食べる。
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作者名:星河実羽 | 作成日時:2023年9月9日 14時