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「忘れもんない?」
「大丈夫」
「本当に?」
「どうしてっ!?」
「Aの大丈夫だからなー」
「ぅっ」
「一也君、この子のこと宜しくね」
「長期休みぐらい帰ってこいよ。2人とも一緒にな」
「うんっ」
「ああっ」
おとーさんがシーズン中の間、おかーさんを1人にするのは申し訳ないけど、私も高校生…。
今日から青道高校の生徒、ですっ。
「いってらっしゃいA、一也君も」
「たまには会いに行ってやるからな」
「こなくていいよ」
「お前じゃねー!Aにだっ!」
「ふふっ、いってきます」
「…いってきます」
「おー、いってらっしゃい」
「気をつけてね」
最寄り駅で高島先生が待ってくれている。わざわざ車を出してくれるなんて、いい先生だな。
荷物を一旦車に置いたら、約束の野球ボールを買いに行き、そのまま寮へと向かう。
「Aちゃんのお部屋はあそこよ。念の為部屋を少し離してあるから大丈夫だとは思うけど、何かあったらすぐにいってちょうだい」
「は、はい」
「荷物この辺に置けばいいか?」
「あ、ありがとう」
「いいよいいよ軽いし」
やっぱ男の子、凄い。
「じゃあ私戻るわね、他の新入生の子も見ておきたいから」
「あ、あの、いろいろとありがとうございました」
「ええ、明日からまた頑張りましょう」
「はいっ」
忙しい中、いろいろ世話を焼く高島先生、優しい。
「どうする?荷解きするなら俺外にいるけど」
「どうして?」
「いや、どうしてって、こう、いろいろ見ちゃ悪いものとかあるだろっ」
「……ないよ?」
「あるの!!部屋戻るからなんかあったら言えよ、明日も早いんだからちゃんと横になって寝ろよな」
「うん」
ぽんぽんっと撫でてからゆきくんは出てってしまった。
ゆきくんがいるとはいえ、初めての1人暮らし?
きっと大丈夫…だよね?
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作者名:星河実羽 | 作成日時:2023年9月9日 14時