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次の日も僕は病院にいた。
警察の人や、病院の人と共に話を聞いていた。
とうさんは来なかった。
しかし、病院の人がとうさんに連絡をしたところ、葬儀は行うらしかった。
警察の人がこっそり話していたのを聞いたのだが、かあさんは車に轢かれて死んだ。
そこまではいいのだが、どうも故意に轢かれた可能性があるらしい。
かあさんは二回車に轢かれたのだが、両方ともタイヤ跡が同じだったとか。
二回目はUターンをして轢いたとか。
…いったい何がしたいんだ、と僕は思う。
僕にはかあさんしかいないんだぞ。
とうさんは会いに来ないし、おばあちゃんは他界しているし。
犯人はいまだ捕まっていないらしく、警察の人が探してくれている。
…でも、捕まえるのは無理だろうな。
そう思ってしまう自分がいた。
「…君も、まだ若いのに肉親を亡くしてしまって辛いだろう…でも、しっかり生きるんだぞ」
「え、アイツのママ死んだの?うっわカワイソウ…」
「負けちゃダメだよ。天国でお母さんはきっと見てるから」
そんな言葉ばっかり僕の周りで溢れて。
そのたびに僕の心は冷たくなっていった。
どうしてそういう風に自分の価値観、思いを押し付けてくるのか。
僕は腐った心を持っていたことに気付いた。
かあさんの葬式は来週だ。
毎日が流れるのは、はやいなぁ…なんて。
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Leaf(プロフ) - フロチャから来ました。フロチャでは男の子が怖かったけど、この作品を読んだ後は何だか感じるものが違いますね。すごく素敵な作品でした。 (2019年1月14日 21時) (レス) id: b8ce9cd4fa (このIDを非表示/違反報告)
白猫のような(プロフ) - フロチャのストーリーに入り込みました! とても面白いです、更新期待しています! (2018年10月23日 21時) (レス) id: 2e8f40e4be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柴葉ましろ | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2018年10月21日 14時