兄さん、やめてください。【オリオンの刻印】

兄さん 08 ページ8

『あーあ、インタビューなら俺も出た方が盛り上がるんじゃない？』

「まぁまぁ、悠向くんはアジア予選出場してないんだし仕方ないよ」


ミーティングルームで日本代表選手がインタビューを受けているのを横目に俺が呟くと、それが大谷さんの耳に入ったのか大谷さんが答える。


『そうか、俺は本戦でかっこよく登場して会場をわかせるよ』


髪をかきあげながら言うとミーティングルームから驚きの声があがる。


『イカしてんじゃん、久遠サン頭身の監督』


監督を指さしゲラゲラ笑っていると隣にいた久遠サンに冷たい声で「黙れ」と言われた。……おっかねぇ


*


『えっ、久遠サン急過ぎません』

「いいからさっさとしろ」

『解せぬ』


目の前に用意されたスーツを持ち久遠サンに言う。何やら壮行会が行われるようで、急ぎでスーツに着替えろとの事。


てゆうかさ、久遠サン俺に当たり強くねぇか。俺何もしてねぇよ。


『まぁ、いいや』


俺は渋々更衣室に向かった。


*


『いやぁ、やっぱり俺は何でも似合うな』

「兄さん、少し静かにしてください」


豪華客船に移動し、「悠馬くんも似合ってるよ」と言うと「それはどうも」と冷たく返される。


『なぁ、タツヤぁ皆冷たくない？』

「知りませんよ」

『』

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