・ ページ42
増田side
スタッフさんの言っていた通り注射の効果はそんなに良くなくて、すでに少し切れ始めている
もう少しだけ保って…
そう願うのにどんどん効果は薄れていった
あと数曲でLIVEが終わると言うのに、体の怠さと同時に吐き気まで戻ってきて俺の体調は最悪だった
ファンの子達にだけは絶対心配させちゃいけない
その一心で、倒れそうな身体をなんとか支えていた
でも本当に立っているのが辛くて、思わず近くの棒に体重をかける
やばい…
どうしよう…
込み上げてくる吐き気に冷や汗が止まらない
もう吐いちゃうかもしれない、そう思った時、場所移動の為近くに来たシゲ
シゲに助けて欲しくて、ふらふらする重い身体をなんとか動かしてシゲのところまで行く
ファンの子達が見てるから、顔を歪ませてはいけない
そう思うのに、辛くて不安で仕方なくて…
増「…しげ」
小声で呼ぶと、すぐに振り向いてくれた
加「なに？」
増「…っ」
加「え、ちょっ、大丈夫…？」
よろけてしまった身体をシゲは支えてくれた
加「具合悪い？」
喋ったら吐きそうだったから黙って頷いた
加「わかった、この曲が終わるまで我慢できる？」
優しく聞いてきてくれるシゲ
俺は頷いて、シゲに体を支えてもらいながら曲が終わるまで吐いてしまわないように、何度も何度も込み上げてくるものを抑え込んだ
曲が終わると、シゲはすぐに俺をファンの子達の死角に連れていって、壁に寄りかかれるように座らせてくれた
加「今スタッフさん呼んだからここで待っててね」
言いながらシゲは俺の衣装を緩めてくれる
加「じゃあ俺戻るけど、まっすーあんまり無理すんなよ
体調悪かったら無理にステージ戻ってこなくても大丈夫だから」
シゲがいなくなってから、もう限界で、苦しくて、吐いてしまった
まだスタッフさんも来てないから当然バケツや袋なんて近くになくて、衣装はぐちゃぐちゃ
具合悪くて辛いのと、しっかりLIVE出来なかった悔しさや、せっかくの衣装が台無しになってしまったショックで、涙が止まらなくなってしまった
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 135人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：星ます | 作成日時：2017年12月17日 21時
