【完結】乙女警察／そうま (ページ22)

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「良かった……、起きた……」

　家に帰ってきた彼女は荷物も下ろさずに俺を起こしに来た。

　何も変わらない彼女。
　けれど、変わった彼女。

　大人の階段を日々着々と登っている彼女に置いていかれそうだ。

「どうしたの」

「ママが……！そまちゃが探してたって言ってたから……！」

「別に、探してたわけじゃ……、」

　ないと言えば嘘になるだろうか。
　けれど、これからはその役もきっと今日外で会っていた彼の役割になるのだろう。

「……」

「ど、どうしたの？なんか変だよ……？」

「別に。変じゃないでしょ。……俺のことはいいから、……もう好きにしな」

「そまちゃ？」

　彼女と今話していても辛いだけだと分かってしまった俺はその場を立ち去る。
　彼女のためにも、自分のココロのためにもこの距離を開けた方がいいんだと、そう思った。

「ちょっ、なに？なんか怒ってる？？」

「べつに」

「……、そう。じゃ、私部屋戻るから……」

　背中を向けて部屋に戻っていく彼女。
　俺はその後ろ姿を見つめることしか出来なかった。