【完結】乙女警察／そうま (ページ12)

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「もういい。今日は勉強あるし、……もう寝る……っ」

「でも絶対に欲しいんだからね……！！」

　そう言い捨ててリビングを出ていく彼女。3人になった部屋の中でお母さんのため息が聞こえた。

「まあ、……年頃の女の子ですからね」

「心機一転したいのかもしれないですよ」

　一応彼女の肩を持つように助言すればお父さんが「またオマエは甘やかして……」と少し頭を抱える。

　少し彼女の話を聞いて教えてくれと両親に頼まれ快く了承した。

「あ、……はい。分かりました」

「Aの言い分、もう少し聞いとくんで。
　はい、冷静にまた話し合いしましょ」

　彼女が小さい頃からこういうのの繰り返し。この家の人間はどうも思っている事を通したいタイプの性格らしく、双方の意見がぶつかり合うということはよくあった。

　そうして毎回部外者であり第三者の俺が仲介役に入る。

　それも、彼女がここを出て一人暮らしをしてしまうとなくなってしまうのだろう。

　……ちょっと寂しいな。

　俺は、一人暮らしするって聞いた時反対するつもりだったんだけど。

　彼女の強い意志に負けて、応援することを選んだ。きっと今回も彼女の意見に負けてしまうんだろうなと密かに思っている。