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あまりにも優しい声に「うん……」とだけ返す。
きっとこの先ばぁうくんよりも大切なものが見つかるとは思えなくて、心の中で謝罪した。
するとばぁうくんの人差し指が私の頬を撫でる。
まるで動物をあやすみたいな撫で方に、ばぁうくんからは私がどう見えているのか不安になった。
どうしよう、猫とか犬とかに見えちゃってるのかな……。
一応、ちゃんと人間なんだけどな……。
そんな私の不安をよそに「ふふっ」と楽しそうに笑うばぁうくん。楽しそうで今日も何よりです。
「じゃあ俺はお前のこと1番大事にしてあげる」
「……いちばん？」
「そ。1番」
「……ばぁうくんの1番貰っていいの……？」
彼の口から出た言葉にびっくりしてしまう。
てっきりばぁうくんの1番はリスナーさんだと思ってたから。
それを上回る順位になれるなんて夢みたいだ。
「なに。嫌なの？」
「う、ううん……っ！ すごく、嬉しい、です」
「俺もプレゼント用意しとくから。楽しみにしてて」
「……！ うんっ！」
自分の誕生日に特に特別感だなんて抱いたことがないけれどここ4年くらいはずっと幸せ続きだ。
それもこれも、ばぁうくんのおかげ。
撫でて貰える指先に自ら擦り寄って、もっと撫でてという視線を送る。そうすれば彼の色付いた口が上がり、もっとスリスリ撫でてくれた。
「んへへ。……なんだかもうプレゼントもらった気分」
「はぁ？ こんなんで喜んじゃうの、お前」
「まだ何にもしてないのに」なんて言われちゃうが、本当に言葉だけで既に幸せになるくらい嬉しい。
「だって……、ばぁうくんから1番貰っちゃったし……、」
貰えると思ってなかったから尚更。
贅沢すぎるくらいの贈り物を貰ってしまった。
私はこれ以上何をばぁうくんに渡せばいいのか分からないほど、心が幸せで満ちていく。
ばぁうくんと出会ってからずっとこの調子だ。
「1番うれしい……っ！」
喜びが隠しきれなくてニコニコ笑っちゃう。
こんなに幸せだといつか不幸が返ってきそうで怖いがそれでもこの幸せを味わっていたかった。
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作者名：Stellar | 作成日時：2024年1月28日 14時
