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それはまた今度見るとして。
「はははっ、冗談だよ。……で？ どうしたの？」
「あ、あのね。ちょっとだけお手伝いに行きたくて」
ピッと彼女が指を指した先に御手洗の看板が見える。ちょっとだけ並んでいる女子トイレを見て少し時間が出来そうだなと思った。
「あぁ、早く言えばよかったのに」
「ご、ごめんなさい、」
「ここら辺で待ってるから、お前行っておいで」
「うん」
彼女が帰ってきた時に分かりやすいように、近くにあったベンチに座る。目線が俺よりも高くなった彼女は、少しだけしゃがんで目線を合わせていた。
こういう何気ない仕草にでさえ従順さが現れている。
無意識なんだろうけどさ。
ちょっとはご褒美をあげようかなと思えるくらいには、機嫌は良かった。
「あ。荷物も貸して？ 持っててあげるから」
「うん、ありがとう」
斜めにかけていたバッグを外して渡す彼女。
「はい、」
「ん。────……」
「！」
顔のが近くなった瞬間を狙った。彼女のポテッと膨らんでいる唇に口付ける。
ちゅっ、とわざとらしく音を立てたキスは彼女をびっくりさせるのには十分で、案の定目を見開いて顔が赤く火照る。
「っ、な、……ば、ばぁうくん……っ」
「ん？ どうした？」
「こ、ここ。外だよ……？」
「へぇ？ 家なら良かったの？」
「家なら、その、いっぱい嬉しいけど……。でも、その外は……」
恥ずかしいと言うよりも人の目を気にしているんだろう。俺よりもリスナーに気を使う子だから見られた時のことを考えているのはいい事だ。
でもだからこそしたいという欲があるのに、そこは全然分かってない。
「俺がしたくなったんだからいいだろ」
「それは、全然……、わ、わたしも、その嬉しいよっ、うれしい、です」
「じゃあいいじゃん」
「うー……、」
キスが嬉しいくせにそれだけで終わらない彼女の思考が段々と面倒になってきてもう一度引き寄せて口付けた。
️「……ん、早く帰っておいでね」
「っ」
甘くとろけてしまいそうな声に、何回も頷く彼女。
キスが余程嬉しかったのか目に涙を溜めて、にやける口に力を入れて抑えているのを見て頭を撫でた。
続く (更新停止中)
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作者名：Stellar | 作成日時：2024年1月28日 14時
