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解散するにしても微妙な時間。
お互いまだ時間に余裕はあるものの、今日1日買い出しのつもりで来ていたので何も考えていなかった。
「あ、そういえばAちゃん、今月誕生日だったわよね」
「はい」
「その日はばぁうくんとなにかするの？」
「えっと、デートに一応」
「当日楽しみにしてて」と言われてからずっとどこに行くのか気になっているが、あれから話題には出ていない。
きっとドライブはするんだろうけれど、それ以外の予定はまだ知らなかった。
「ふふ。仲良しね」
「えへへ」
「……それなら、……うん。そうね、」
「？」
スっと手を引かれて歩き出す。
目的地は分からないがツバキさんの中ではどうやら決まったらしい。私はついて行くことに徹した。
「1度荷物を預けてお洋服見ましょう？」
「……？ 洋服、……お仕事ですか？」
「あら違うわよ。……プレゼントしたいの。あなたに」
「えっ」
くすり、上品に笑うツバキさん。
まさかの出来事に驚いてしまう。
「そっ、そんな……っ！」
「あら。させてくれないの？」
「あっ、いやっ、ぁ、」
「今日遊んでくれたお礼も兼ねてよ。
デートの当日素敵な服でお出かけしたくない？」
「……し、たい、です」
「ふふ。素直でいいわ」
でもでも。いいんだろうか。
そんな、急に決まったことで、大丈夫なんだろうか。
ツバキさんには絶対お返しをしなくっちゃ。
「気になるお店、あったら教えて？」
「はい、……あ、でもその。あまり分からなくて……」
「その時は私が助言するわ。遠慮しないで」
頼もしい彼女の言葉に頷きながら、2人で残りの時間洋服を見漁っていた。
結局、デートに必要だと思うからとフルコーデの洋服をプレゼントして貰ったが今日持って帰るとばぁうくんにバレてしまうので後日送って貰うことになってしまう。
何から何まで全部ツバキさんがしてくれた……。
もう、絶対絶対、お返しする……っ。
楽しい時間は直ぐに過ぎていき、その日は解散となる。
私はツバキさんには絶対お返しをするという強い意志を持ちながら、ばぁうくんが待っているお家へと帰った。
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作者名：Stellar | 作成日時：2024年1月28日 14時
