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センスのいいツバキさんからアドバイスを貰ってそれぞれの写真のいい所をピックアップしていく。
「あっ、このマカロンのも……かわいいです」
「ふふ。たしかに。
……うーん、でも作るってなると大変じゃない？
当日一緒に過ごす時間も大切でしょう？」
「そ、そうですね……」
「購入ってなると……。あんまりマカロンは日持ちしないから」
「うぅ、」
「妥協も大事ね……」
いい物を良いとだけ言わずに的確なことを言ってくれるツバキさん。
やっぱり仕事ができる人は違うな……。
現在アパレルデザイナーさんとして働いている彼女は色彩感覚も見る目も、才能もある人だ。
頭の回転なんかも早いのだろう。
きちんとコスト計算をする辺り計画性もある人だと思う。
しっかり者さん……。
かっこいい……。
「じゃあ、……こっちのフルーツの、」
「……うん。これなら切って添えるだけだからさほど時間もかからないわね」
「わっ。じゃあ、いちごと……、ブルーベリーと、」
できるだけ赤を詰め合わせたケーキにしたい。
ばぁうくんの色にしたいな……。
クリームも着色料を使って、バラを作ってみようかな……。
「ふふ。楽しそうね」
「えっ？ そうですか？」
「うん。なんだか生き生きしてる」
「ばぁうくんに食べて貰えるの楽しみで……。
絶対美味しいの作りますっ」
「頑張ってね。……あっ、写真も今度見せて？
出来上がり楽しみにしてる」
「はいっ。もちろんです」
幸せの共有はなんだかもっと幸せが広がっていく気がする。
最近、こういう時間や出来事が好きだ。
「あ。そういえば……」
「？」
「ロウソクは立てるの？ ほらお誕生日の時みたいに」
「────……えっ、」
ドクン、と。
心臓が1度大きく跳ね上がった。
ツバキさんが「歳の数だけロウソクを立てたりするじゃない？」なんて説明をしてくれているが、その声が遠くで聞こえてしまうほど、今、私の鼓動と心拍数で聞こえづらくなっていく。
ロウソクは……。
ロウソクは、……私。
ぎゅっと瞳を閉じる。
少し頭痛と目眩がして、足がふらついてしまった。
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作者名：Stellar | 作成日時：2024年1月28日 14時
