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「伝わってくるわ」
「えへへ」
ばぁうくんを好きだと言う気持ちが他者から見ても分かりやすく溢れているなら光栄だ。
きっと、ばぁうくんにも筒抜けだと思うから。
「今日もそのためのお買い物なんでしょう？」
「はいっ！」
「ふふ。かわいいわね」
「聞いてるこっちも幸せな気持ちになるわ」とツバキさんが告げる。その言葉が嬉しく感じた。
確かに幸せなお話は聞いているこっちもお裾分けしてもらった気分になる。
それを提供する側に回るだなんて思っても見なかったけれど。
きっとこれはばぁうくんと出会ってから変わった所だろう。
出会う前なら、出会っていなかったらきっと。
私は夢物語だと信じて疑わなかった。
「どんなの作るんだったかしら」
「あっ。……こういう、数字のケーキなんですけど」
「あら。ナンバーケーキね。いいじゃない」
「上の飾り付け、……悩んでて」
「写真、ちゃんとまとめてるのね。見やすいわ。
……Aちゃん事務のお仕事向いてそう」
「えっ、そんなそんな……っ」
絶対務まらないよ……。
無償のものならばいくらでも捧げることは出来るが、その働きにお金がつくというのはどうも苦手だった。
伴う責任と、失敗してしまったらという恐怖。
何しろ自分には価値がないと思っているからなのか、給料が発生すると言われるとどうも動きが鈍くなってしまう。
なんていうんだっけ、そういうの。
社会不適合者、……って、言ったっけ。
「そんな謙遜しないの。
褒められた時は『ありがとう』って微笑んで返せばいいのよ」
「え？」
「褒めた相手も感謝の言葉聞くと嬉しくなるから」
「……。……褒めて下さり、ありがとうございます」
「ふふ。素直ね。覚えがいいわ」
「あり、がとうございます……？」
これって、どこまで感謝し続ければいいんだろう。
ツバキさんいっぱい褒めてくれるから会話が相槌か感謝の言葉かの2択になってしまいそうだ。
「こっちと。……それからこっちの薔薇は凄く可愛いと思う。組み合わせてもいいと思うわ」
「！ そっか、組み合わせたらいいんですね」
確かに、いい所をピックアップして飾り付けるのはいいアイディア。
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作者名：Stellar | 作成日時：2024年1月28日 14時
