Ⅰ ￤ラブドールは甘い夢がみたい。／ばぁう (ページ15)

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02￤ロウソクの火ページ15

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　バタバタ。

　乗りなれていない電車から人の波に流されてホームへと出る。

　やっと降りられた……っ！

　久しぶりに利用した電車の中がこんなに窮屈なものだとは思っていなかった。

　朝の通勤ラッシュは避けてきたものの、人身事故の影響で1本逃した人達がこの時間を利用していたらしい。

　えっと。

　ツバキさんにまずはLINEしなくちゃ……っ。

　行き交う人の邪魔にならないよう、端っこの方に寄り今日遊ぶ約束をしているツバキさんに連絡をする。

　ツバキさんとは、KnightAのまひとくんの彼女さんで、最年長の頼りになるお姉さんだ。

「えっと、『今、着きました』
　『今から、向かいます』っと」

　事前に遅延していることは伝えていたがやはり約束に遅れてしまうと申し訳なく感じてしまう。

　直ぐに既読の文字がつき、『ゆっくりいらっしゃい』という文字と、「任せろ！」とばぁうくんの声が流れるスタンプを送ってくれるツバキさん。

　なんか、ツバキさんがKnightAのスタンプ使ってるとちょっと可愛い……。

　なんか、……可愛いんだよね……。

　言葉をどう表したらいいのかは分からないが、なんだかキュンとしてしまう一面だ。

「遅れちゃったから、早く行かなきゃ、」

　ばぁうくんから買ってもらったスマホをバックの中に閉まって、約束の場所へと向かう。

　つい先日。

　KnightAの彼女たち全員が入っているLINEグループで『一緒に買い物をして欲しいです』と連絡をしたところ、1番初めにツバキさんがOKしてくれた。

　他の皆は直近のことで仕事だったり、予定だったりがあったらしく、今日は久しぶりにツバキさんと2人っきりで遊ぶ。

　それも少し緊張。

　背が高くて、モデルさんみたいに綺麗なツバキさん。

　凛として、華があって、上品で、女性の憧れを具現化したようなお姉さんと2人っきりで遊ぶ機会なんて今までになかった私は、ばぁうくんと一緒にいる時のドキドキとは違うものを感じていた。

　なんて言うか、憧れの人に会いに行く、みたいな。

　そんな感じ。