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「ね。どこ行きたい？」
「う、うーん……」
普段家から出ないせいか、外にあまり興味が無いのが難点だ。
ばぁうくんを困らせないように、無難な所を選ぼうとしてみても、あまりいい所が出てこない。
「雑貨屋さん、は、……この前行ったし」「洋服も……、べつに……」「う、うーん……、」と無い頭で色々考えてみる。
その一例の流れを見ていたばぁうくんはぷはっ、と吐き出すように笑い始めた。
「なんも浮かばなかった？」
「うん……。でもばぁうくんと一緒ならきっとどこでも楽しいだろうな、って……」
「まあ、いいや。なんか考えておきな？」
「無理に行かなくてもいいし。家でも俺は全然いいよ」なんて言う言葉に確かにそれもいいな……。
なんて思ってしまう。
結局私は『どこに行くか』よりも『誰と行くか』で嬉しさが変わるんだろうな……。
ほんとにばぁうくんとなら、どこでも……。
「うん。……ぁ、でも。ドライブは行きたいな、」
どこでもとは言ったが一つだけ見たいものがあった。
「ドライブ？」
「うんっ。ばぁうくんの運転してるところ見たい」
「そんなんでいいの？
……まあ、全然いいけど」
「えへへ。やったぁ」
助手席に乗って、隣でばぁうくんの運転している姿を見るのが好き。
いつもじーっと見ていたら「見すぎだよ、ばか」って言うあの瞬間がとても好きなのだ。
後、運転してる時のばぁうくんかっこいいし、助手席に座ってる時にお茶とか渡すあれも普段お世話されているお返しみたいで好き。
あの時だけばぁうくんのお世話出来るから……っ。
「んじゃ、デートはそんな感じで。楽しみにしといて」
「うんっ！」
「俺もお前のプレゼントも楽しみにしてるから。
……あ、これサプライズなんだっけ？」
「もう。……ばぁうくん、いじわる、」
「あははっ。……嘘だよ。サプライズ、せいぜい頑張って」
ちゅっ、と頬に落とされたキスがなんだか馬鹿にされているような気分だったが、嬉しいことには変わりがないので有難く頂いくことにした。
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作者名：Stellar | 作成日時：2024年1月28日 14時
