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Prolog ページ1
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寝ても覚めても隣には彼がいてくれる。
そんな幸せな毎日が普通ではないと私は知っていた。
「……ん、……何？ 起きちゃった……？」
「うん、目が覚めちゃった」
「ならおいで。……寒いから。ぎゅーしてやる」
優しく手を掴み、腕の中に入れてくれる彼。
これが私にとってどれだけ幸せな事かなんて、きっと彼は何一つ知らない。
「……あったかい？」
「うん。……ふふ、あったかい」
「ん、いい子だね」
「ばぁうくんのだからだよ」
そう返事をすればまた愛おしそうに私を見つめて頬にキスを落とす。触れるだけのキスをしては幸せそうに笑う彼に今度は私の方からキスをしてみた。
「かわいいな、お前は」
暖かい手のひらが私を包み込んでくれる。
この手の中では幸せがきっとたくさん詰まってるのだ。
そんなこと、あの時の私は知りもしなかった。
知ろうとも、していなかったのかもしれない。
「すきだよ、ばぁうくん」
「しってる。お前俺の好きがいっつも溢れちゃってるから」
「うぅ、……だめ？」
「ダメじゃないよ。……愛おしくなっちゃう」
夢に描いていた全てが諦めていた事だった。
この寝室も、2人でベッドで寝転ぶことですら、私にはその資格がないと思っていたから。
「俺も沢山好きって伝えたくなる」
2人を包む薔薇の香り。
再び始まるキスを合図に身を重ね合う。
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作者名：Stellar | 作成日時：2024年1月28日 14時
