01￤Lounge『A』／ KnightA (ページ7)

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▽06￤髪長姫　⚔️❤️ ページ7

✦ 赤色の騎士が姫の髪を乾かす話 ✦

　まだ濡れたままの髪をまとめて着替えてから部屋に向かう姫。白の家具で統一された高級感のある部屋の中、スリッパを履いてパタンパタンと音を立てて歩いている。

　そんな時に上からふんわりと柔らかいタオルが頭の上に乗った。

「わ。……びっくりした？」
「まだ髪濡れてるじゃん。……濡れたまま結ぶとなんかだめって言ってたけど」

　声に特徴がある彼。
　顔を見なくても誰だか分かった姫はその騎士の名前を呼ぶ。

「んー？なに」
「俺が恋しくなっちゃった？」

　髪から水分を拭き取りながら、「ばぁ」と目の前に現れてくれる彼。やっぱりあっていたと安堵する姫は彼の顔をみて微笑む。

　そんな可愛らしい姫に微笑み返して距離を近づけてくるばぁうくん。もう、おでことおでこがくっついてしまいそうだ。

「……かわいい」
「お風呂上がりだとすっぴんでちょっと幼く見えるのに、色気もあるね」
「……なに？もしかして誘ってるの？」
「俺は大歓迎だけど」

　わざとらしく耳元で言葉を落とす彼。囁くようなその声。耳に暖かい息が吹きかかり、突然のことにびっくりした姫は肩を揺らす。

「はははっ。かわい〜」
「はいはい。びっくりしちゃったね」
「ほら。おいで、姫。髪乾かしてやるから」

　そう言って手を広げて待つばぁうくん。彼からしたらきっと自分は『姫』という名前だけであってペット感覚にでも見ているんだろう。

　けれど、手を広げられてしまっては飛び込むしかない姫は素直に彼の元まで歩を進める。

「いい子」
「髪、前より長くなったねぇ……」
「俺。長い髪大好き」

　隙あらば「俺のため？」「俺の事意識してるの？」と質問してくる騎士の言葉をドライヤーの音でかき消されたことにして聞かないことにする。答えていたらキリがない。

「……ね、姫」
「あー……。ドライヤーの音で聞こえてないか」

　まるで無視しているのも彼にはわかっているみたいに話していく。

「好きだよ」
「……あれ？ドライヤーで聞こえてないはずなんだけど。……今のだけ聞こえちゃった？」

　赤色の騎士は彼氏欲強め。

𝐍𝐞𝐱𝐭 ❥❥❥ ⚔️💛