▽03��灰被り ⚔️❤️ ページ4
✦ 赤色の騎士が姫を甘やかす話 ✦
「電気、ついてないじゃん」
姫が暗闇の中で落ち込んでいる時に訪れた彼は、自分が来たことを知らせるように呟いた。暗闇の中で小さく蹲っている姫を見つける。敢えて電気は付けず、音を立てながら姫のそばまで歩いた。
「姫」
「なんかあったんでしょ」
「わかりやすすぎ」
隠すつもりも別になかった姫。
それでも他の人から見ても酷い顔をしてしまっているんだと自分を責めたくなってしまった。
「一人で頑張ってたの？」
優しすぎる声が肌に触れた瞬間、我慢していたものが溢れそうになる。今が暗闇で良かったと思うほど、無様な顔をしているのだろう。
けれどばぁうくんからしてみればどんな姫でも愛せる自信があった。
殻に閉じこもろうとする姫を優しく包み込んで柔らかな髪を撫でる。
「頑張ってえらいね」
「ん？ 今日も頑張ったんでしょ？ ……えらいじゃん」
「よしよし」と甘やかしながら姫が泣ける場所を作る彼。込み上げてきた感情が溢れ出し、彼の胸を借りて泣き始める姫。
そんな素直な姫を抱きしめながら、今は嫌なことが全部吐き出せるように冷たくなっている姫を温める。
「一人で我慢しなくたって良かったのに」
「……見られたくなかった？ へぇ」
「でも、俺に抱きしめられて泣いてんじゃん、姫」
「それなら、最初っから頼ればいいでしょ。って言ってるの」
きっとこういっても責任感の強い姫はまた一人で解決しようとしてしまうのだろう。
「俺はどんな時だって姫の味方だよ」
「ずっと。……ずっとね」
「そうだよ。ずっと。……他の奴になんと言われようとね」
「お前もそうでしょ」自信満々にいう彼の言葉に思わず笑ってしまう。確かに、本当に隠したいのならば今涙を流すことなんてなかった。
一人で我慢はしてしまったが、結局この場所は安心出来る。
「今日は、いっぱい泣いちゃいな」
「それで、ゆっくり眠るといいよ」
「そしたら大丈夫になっていくんだから」と一緒にベッドの上で横になってくれる。
「安心するまで、ずっと一緒に居てあげるから」
「俺に身体預けて」
赤色の騎士は世話好き。
𝐍𝐞𝐱𝐭 ❥❥❥ ⚔️💚
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 38人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Stellar | 作成日時：2024年1月14日 18時
