▽02��髪長姫 ⚔️💛 ページ3
✦ 黄色の騎士が姫の髪を乾かす話 ✦
ぱたん。浴室の扉が開く音がしてそちらの方に目をやる彼。
「あがった？ ちゃんとあったまったかな？」
「今日は特に寒いからね〜。姫があったまったなら良かった」
髪の毛から滴り落ちる雫をタオルで拭きながら出てくる姫をお出迎えする。大きな手のひらで姫からタオルを貸してもらい優しく、丁寧に拭いていくとふんわりシャンプーのいい匂いがした。
「今日のシャンプー、いい匂いするね」
「うん、これ好きかも」
姫の近くですん、と鼻を動かす。
濡れた髪から香るそれはやはりいい匂いで、普段よりもより濃い匂いをさせて惑わせる。
悪いお姫様だ。
仕返しとでもいうように、右手を救い手の甲にキスを落とす。驚いた姫を見て満足をしたイタズラ騎士は「ははっ」っと声に出して笑いながらエスコートする。
「さ、姫。髪乾かすよ」
「こちらへどうぞ？」
優しくソファーまで連れていけば姫よりも先に座るそうまさん。「どうぞ」と姫に誘った場所は膝の上であったが、姫は恥ずかしくて隣に座ってしまう。
「あれ。そっちに座っちゃうの？」
「残念。俺の膝の上空いてたのに」
「いいって？ ははっ、そっか。じゃ、姫。そのままそこにいて？ 後ろ回って髪乾かすから」
そう言って姫がお風呂に入っている間に用意してたスキンケア用品とヘアケア用品が並んでいる中、ヘアミルクを手に取って毛先を中心に馴染ませていく。
手馴れた手つきだ。
「ん？ 上手くなったって？」
「そりゃあ、……姫の髪は俺が育ててるみたいなもんですから？」
「ははっ。違う？ そっか、ちがうか」
「まあでもねぇ。……お慕いしている姫の為なら慣れないことだって頑張りたいじゃん？」
これでも動画を見たり、実践して学んだりして上達した。全ては親愛なる姫の為だ。
「大好きな人の可愛くなるお手伝いしたいんだよ」
そう言いながら敬愛の印のキスを姫に落とす。
びっくり驚いて可愛い表情を見せる姫。愛おしいさが増して、このまま襲ってしまいそうになる衝動を何とか抑える。
「させてくれるよね。姫？」
黄色の騎士はキスがお好き。
𝐍𝐞𝐱𝐭 ❥❥❥ ⚔️❤️
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作者名：Stellar | 作成日時：2024年1月14日 18時
