▽12��鏡よ鏡 ⚔️🩵 ページ16
✦ 水色の騎士が姫に勇気を与える話 ✦
「姫〜〜っ！ おかえりなさ……っ、」
「姫……？」
姫の帰りを心待ちしていた水色の騎士。今日も元気に帰って来たと思っていたのに、彼とも目を合わせずそのまま目を伏せて部屋に戻っていってしまう。
絶対に様子が違う。
そう思ったまひとくんは姫の後をついて行く。
「……姫？」
「入るね。……あ、……来て欲しくない？」
「そっか。1人になりたいんだね」
姫もまひとくんに当たるつもりはなかった。ただ気持ちがナイーブになってしまっている時に話しても全てを否定してしまいそうで怖かったのだ。
「今はひとりにさせて」と姫からの命令に立ち去ろうとした騎士。しかし、1人の男として放っておくことが出来なかった。
「……姫？」
「ごめんね。そばに居てもいいかな？」
「……ほっとけないよ」
「なにか、あった……？」
優しい声が姫を包み込む。滲んだ瞳から見える水色の騎士は心底姫を心配している。そんな顔にまた涙してしまいそうになった。
「わわっ、ど、どうしたの？？」
「……話したくないなら話さなくても大丈夫だけど。……ひとつ聞いてね？」
「僕はいつでも姫の味方だから」
「だからずっとそばにいるよ」
寄り添うように投げかけられた言葉に頷いて、小さく今日あった出来事を話していく。
元々朝から調子が良くなかった。悪い癖なのか、人と比べてしまい、勝手に傷ついて、自分はダメなのだと思い悩んでしまったのだ。
それがきっかけで物事が良くない方向にどんどん転がっていく。
「……、そんな。姫は素敵な人なのに」
「ふふ。姫は気がついてないんだね」
くすくすと悩みを話したはずなのに笑っているまひとくん。「どういうこと？」と問いかければまた優しく微笑んで理由を教えてくれる。
「僕達、姫のことすっっごいすきなんだよ？」
「ばぁうくんも、てるちゃんも、しゆんも、そまちゃも」
「みーんな。姫のこと大好きなんだよ」
「だから『私なんか』って落ち込まないで」
自信が無いなら手を引っ張って姫が見たい景色を見せてあげるから。
だから、姫。姫はひとりじゃないから大丈夫だよ。
水色の騎士は情熱的。
𝐍𝐞𝐱𝐭 ❥❥❥ ⚔️💚
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 38人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Stellar | 作成日時：2024年1月14日 18時
