▽11��人魚姫 ⚔️🩷 ページ15
✦ 桃色の騎士が姫の夢を応援する話 ✦
「姫」
夜の日記を書いている時に訪れてきたピンク色の騎士。見られないように手を手帳の上に置いて返事をする姫。彼の手にはティーセットがあった。
「あんまり夜更かしするとまた朝起きられなくなっちゃうよ？」
「昨日も起きれてなかったんだから」
ぷくっと頬を膨らませるてるとくん。
頬いっぱいに空気を詰め込んでいるはずなのに、美形が崩れることはなく、可愛いとしか思わせてくれない彼。
そんな彼に痛いところをつかれてしまい、う、と声を漏らしてしまう。
「はい。これ、ハーブティー」
「そまちゃが睡眠の質を上げてくれるって言ってたよ」
「ふふ。どういたしまして。……それからこれはちょっとしたおやつね？」
「まひちゃんのお菓子ボックスから取ってきちゃったから、内緒だよ？」
ハーブティーとお皿の上に綺麗に並べられたクッキー。今食べたら確実に太る時間ではあるのだが、少し早めの夕食を食べていた姫にとっては丁度いい間食だ。
「それより……、姫はいつも何を書いてるの？」
「……日記？ へぇ、マメなんだね」
毎日コツコツできることはないかと始めた日記。今年から始めて早3週間で日記の文字の雑さが現れているが続けられている。
流石にまだ1月だし……。と書いているそれがいつ飽きてしまうか分からない。
「……あれ？ これは？」
「あぁ、……見ちゃいけないものだった？ ごめんね」
日記に挟んでいた写真。それは姫が憧れている姿で、いつか叶うといいなと思っているものが写っていた。
けど、半分諦めているものだ。現実的に難しかったり、資格や経験がいるもの、もっと早くに始めていないと実力が伴わないもの。全て周りの環境のせいにして諦めてしまっているのだ。
「……、姫？」
「僕は姫には幸せになってほしい」
「誰よりも1番……、」
騎士だからという理由ではなく、1人の女の子として姫には夢を諦めて欲しくないてるとくん。
「誰よりも1番応援してるし、支えたいなって思ってる」
「姫なら大丈夫だよ」
そう微笑む彼。
諦めかけていた夢をもう一度、願いたくなってしまった。
桃色の騎士はいつでも姫の味方。
𝐍𝐞𝐱𝐭 ❥❥❥ ⚔️🩵
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作者名：Stellar | 作成日時：2024年1月14日 18時
