▽09��口付け ⚔️💚 ページ12
✦ 緑色の騎士が姫に愛を伝える話 ✦
「姫、支度は……────、」
友人の結婚式に参列することになった姫。招待状の手紙を貰った時から自分よりも騎士たちが支度に力を入れていた。
最終的に一人1着のドレスを持ってきて、姫に選んでもらう。というなんとも姫からしたら面倒くさいことを提案してきた騎士たち。その中で、あくまでドレスのデザインが好みだったしゆんさんの服を選べば当日の支度まですべて彼が手伝ってくれることになった。
「……あぁ、ごめん」
「あまりに綺麗で」
「うん、やっぱ似合うじゃん、そのドレス。流石オレ」
自信家なところは彼のいい所だ。
深く濃い緑色のドレス。
ベルベット仕立てのその服は無駄な装飾のないシンプルなもので高級感が漂う。
「オレがスーツ着るならもっと柄とかあるやつでもいいけど」
「姫はシンプルなのめちゃくちゃ似合うと思ってたんだよね」
「想像通り」
「いや、想像以上か」
「あとは適当にアクセサリー選べば大丈夫っしょ」なんて言いつつ、しゆんさんは姫に似合うアクセサリーをいくつかピックアップしてきていた。
用意周到だ。
「え？ ナニ。嬉しそうって？」
「あー……バレちゃった？」
「実は選ばれなかったアイツらすげー悔しそうな顔してたからさ。超気分いい」
楽しそうでなによりです。
こういう騎士たちの何気ない会話を聞くと微笑ましく感じる。そのくらい長く過ごしたと言うことだろうか。
しゆんさんはパール調のネックレスを手に取り姫の後ろに回る。
「姫。……ちょっと髪、上げてて」
「…………、重かったりしない？」
「大丈夫そうね、おっけー」
完成した姫の姿を鏡で確認しながら「いいね」と呟くしゆんさん。美的センスのある(というか顔のいい)彼に言われると自信がついた。
「姫、手にキスをしても？」
姫にとって大事な日。そういう日には必ず手の甲にキスをしてくれる騎士達。中世ヨーロッパの騎士道の名残りだとは言っていたがその習慣に未だに慣れない。
触れた彼の唇。敬愛を表すそのキスの後、彼と視線が合う。
「本日も愛していますよ、……姫」
緑色の騎士はロマンチスト。
𝐍𝐞𝐱𝐭 ❥❥❥ ⚔️🩷
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作者名：Stellar | 作成日時：2024年1月14日 18時
