⋆꙳꒰ঌ🩷໒꒱·̩͙⋆ ページ10
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「あ……!」
生徒玄関の前に張り出された新しいクラス表。三人で一組の方から名前があるか確認していけば案外早く見つけてしまった。
「ん、A、あった?」
「うん。二組の所に名前」
「あ、僕も二組だーー!」
あそこ。と指さしててるとくんに教えるA。その後すぐにまひとくんの名前も見つける。二人で「同じクラスだ」「やったぁ!」という会話をした後もう一度二組の四十人前後の中からてるとくんの名前を探す。
「お兄ちゃんのは……」
「う、僕だけ三組……」
何度見てもないから隣の方をチラリと見てみればAと同じ苗字が三組の方に載っていた。
「えぇー! てるちゃんと同じじゃないのーー?」
「……ショック、」
「まあでも隣のクラスだし」
「何かあったらすぐに行くよ」「体育は一緒に出来るね」と案外大人な対応をする。寧ろ一緒じゃなくていじけているのはAとまひとくんの方だった。
「寂しいよねー?」
「うん、……寂しい」
「ふふふっ、それなら休み時間の時来てもいいよ」
「そんなこと言ったらもう、毎時間行っちゃうんだからね!」
「い、行っちゃうよ」
「毎時間は困る」
注意しておかないと本当にメンヘラな二人が本当に来てしまいそうだ。
一年生の時も三人ずっと一緒。同じクラスで休み時間の度に集まっては話していた。と言うよりはAに他の人を近づけさせたくなくて二人が授業終わりに彼女の机に集まっていた気がする。
Aが一人になるのは体育の着替える時くらいだ。
……体育、嫌なこと思い出しちゃった。
毎度毎度学校で人気のてるとくんとまひとくんに相手をされているからか、Aはあまり同性からの評価は良くない。
一年生の頃は女子更衣室に入った瞬間一度サウンドが消え、Aを冷たい目で見た後に大きくなる声が一層孤独を響かせていた。場所の決まっていない更衣室。わざとAが使えないように荷物を置いていたりと、案外迷惑な事をしてくる子もいる。
それに、嫌われる理由はもうひとつ。
……火傷の跡。
気持ち悪がられちゃう。
そっと左腕を隠す。ジャットを羽織った今の制服では分からないが服を脱いで着替える時にわかる爛れた肌について言われるのは苦しいものだった。
「可哀想」とか。
「気持ち悪い」とか。
ヒソヒソ聞こえる言葉の短針が胸を刺す。
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-??-(プロフ) - 投稿ありがとうございます!次回も楽しみにしてます! (6月9日 0時) (レス) @page10 id: f640630912 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Stellar | 作成日時:2023年6月1日 0時