恋愛戦争／ KnightA (ページ8)

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⋆꙳꒰ঌ🩵໒꒱·̩͙⋆ ページ8

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「まひちゃん。明日は早く起きてね？」
「うん、わかったごめん」
「あ、でも。間に合って良かったね」

　Aを真ん中にして三人並んで歩く。あの後急いだおかげで何とか余裕で着くことができた。学校に近づくと生徒も多くなっていく道。同じ服が並ぶ光景を見るのが二週間ぶりで懐かしく感じる。

「クラス替え、一緒だといいんだけど。でも七組まであるもんね……」
「うちの学校多いもんねー！でも三人一緒なら絶対楽しいと思うんだよね！そうなるといいなー」
「えへへ、そうだね」

　本当に心の底からそう思う。三人一緒ならどれだけ幸せなのだろうか。一年過ごすクラス。二人と一緒ならば特に文句はないがマンモス校で一緒になるのは流石に無理があるかもしれないなという不安が押し寄せてきた。

　二人と違ったら誰とお話しよう……。
　上手くやって行けるかな……。

　そんな不安に浸っている時、ふと外野から女の子の声が聞こえる。

「あっ、ねぇ、てるとくんとまひとくんじゃない？？」
「ホントだ〜！新学期から見かけられるなんてラッキーだね」
「三人本当に仲良しだよねー」
「わかる。『さんにん』ね」

「……、」

　明らかに含みのある言い方に心臓がズキリと痛む。二人組の女の子はこちらを見てとても羨ましそうな声で話していた。そこに妬み嫉みがチラついている。

　生徒が多いマンモス校でもてるとくんとまひとくんはかなり有名だ。

　顔が良くて、勉強も出来て、可愛くてかっこいい。
　そんないい所しかあげられない二人の間にいつもいるのはA。それが気に食わなくて影で何か言われるのは幼い頃から経験済み。

　だからなのか他人の言葉に凄く敏感。出来ることならこの場から一番早く消えてしまいたい。

「A……？下向いてどうかした？」
「……ううん、なんにもないよ、お兄ちゃん」

　観察力のあるてるとくんは妹が落ち込んだことに直ぐに気がついた。先程まで楽しく会話をしていたのにどうして……？と思うが何となく察することは出来た。