恋愛戦争／ KnightA (ページ11)

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⋆꙳꒰ঌ🩵໒꒱·̩͙⋆ ページ11

「女の子なのにあんな痕あったら普通に無理じゃない？」
「あれ、結構グロいよね。あーいうの私無理なんだけど」
「見たくないから隠して欲しいんだけどさー、あれ何？『私可哀想でしょ』アピール？」
「見せておけば守ってもらえるとか思ってんのかな」

　過去に聞こえた言葉が何度も脳内で再生される。現在でも色褪せるとこのない鋭い痛みが胸を襲った。きっと、向こうはそんなつもりなんてない。その場しのぎの会話。一瞬の出来事。すぐに忘れることなのだろう。

　こちらは、一生忘れることは無いのに。
　平気で心臓を抉り出す言葉が繰り返す。

　でも。お兄ちゃんとまひとくんが居てくれるから、もう大丈夫。
　『気にしなくていい事』だから。

　どうでもいい。

　ふわっと笑ったA。周りにお花が咲いたのかと間違えてしまいそうなほど温かな笑顔に二人も笑顔になる。

「そろそろ教室の方行かなくちゃだね」
「あ、だねぇー。って……うぉ！？」
「ちょっとまひちゃん。まひちゃん同じクラスなんだからAの事よろしくね？？」
「え、よろしくって……？？」

　一人歩き出したAに続くようにまひとくんが一歩踏み出そうとした時後ろに引っ張られてしまう。犯人はてるとくんだ。

　今回同じクラスでは無い。けれど幸い隣のクラスで休み時間は行き来がしやすいだろう。でも不安はあった。

　なんせ妹のAは可愛い。小中学生の頃はあまり目立たず「あ、居たね」くらいの存在であったが、高校生になり女性の身体に近づいた彼女は異性からは人気が集まりつつある。

昔から彼女の可愛さを知っていたのはてるとくんとまひとくんだけだったというのに、今更興味を持ち始めたサルがいるのだ。

「可愛いから、他の男にちょっかいとかされたりするかもしれないじゃん……！」
「常に一緒にいるつもりだから大丈夫だよー」
「ならいいけど……」

　本人がまだ恋愛感情を持っていないことが幸い。けどそんなの関係無くいきなり身体の関係へと興味を持ち始める男性がいるのも事実。敵が無条件で増えたことに対して警戒心を抱き始めた。

「それよりもAちゃん一人で行っちゃってるよ……！」
「あっ、追いかけなきゃ……！」