ちびっこないとっ！／ KnightA (ページ17)

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「あぁ〜〜〜！」
「まりあちゃん！」

　そんなことをしているとつい先程お母さんと来ていたまりあちゃんが教室の中から出てくる。

　ふふっと、天使のような悪魔のような笑顔で同い年の二人を見つめた。その姿はやはり年長児とは思えないほど大人びている。
　きっと、容姿が整い過ぎているからだろう。

「てるとくんとそうまくんの恥ずかしいところみーちゃった」
「！！」

　くすっと余裕のある笑みに二人は急いでお母さんから離れる。

　おっと。
　これは効果抜群だ。

「あーあ。見られちゃったよ、てるとー」
「ママに甘えてるんだぁ？」
「そ、そんなことないよ！」
「そうだよねえ。まさかてるとくんが、ねぇ？」

　まだ気温は上がっていないのに焦ってヒヤリと汗を流すてるとくん。図星をつかれてピンチ状態。

　
「そうまは甘えん坊なんだよねー？」
「なっ！違うし……！」
「カッコつけたがりめ」

　そうまくんのお母さんがクスッと笑った辺りで視界の端にパパさんに抱っこされて園に来た子が見えて私はそちらに移動する。

「そうだよねぇ〜？だって、そういうのするのあの子くらいだもん」
「あの子……？」

　園に来たのは今日もしっかりぬいぐるみを抱き抱えた❤️🌸ちゃん。

「おはようございます！」
「おはようございます。じゃあヒメ、」
「……」

　どこかの俳優なんじゃないかと問いかけたいくらい整った顔立ちのパパさんに『ヒメ』と呼ばれた❤️🌸ちゃんは私よりもお父さんにぎゅーと抱きついてしまう。

　❤️🌸ちゃんは恥ずかしがり屋さんだなぁ……。
　嫌われてるっていう解釈は傷つくからやめよ……。

「すみません、ほら。ヒメ？先生困らせちゃってるよ？」
「パパと、いっしょ……」

　最初のお返事と『ごちそうでした』以来の声に思わず感動してしまう。これは嫌われているとかではなく慣れた人には話すタイプだ。

　気に入ってもらえるまで積極的に話しかけてみよう。

　そう意気込んでいる中でパパさんは怒る所か顔が緩んでしまっていた。