ちびっこないとっ！／ KnightA (ページ11)

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「『貸して』って聞いたら貸してくれるよ？」
「くれなかった！！」
「ちょっと。しゆんくん、なんでなの」
「おれが遊んでたし！！」
「はぁ……、」

　一方通行の言い合い。
　両者ブロックを使いたくて奪い合った結果がこの戦争の引き金を引いてしまった。

　しゆんくんと💛🌸ちゃんの手を握って二人に注意する。
　これは二人とも悪い。

「ブロックは皆のものだから仲良く使わなきゃだよ？」
「ほらー！ 💛🌸の言った通りじゃん！」
「でも、貸して貰えなかったからって叩いちゃだめ。怪我しちゃうでしょ」
「ざまみろ」
「〜〜〜ッッ！！」

　また喧嘩が勃発しそうになる。
　💛🌸ちゃんが感情的になってまたしゆんくんを叩こうとしたので左手で引き離す。手を繋いでいて良かった。

　本当にこの二人は仲悪いな……。
　悪いのに良く一緒にいるな……。
　なんなの……。

　確か年中組さんの時も仲が悪かった。
　身長の低いしゆんくんを馬鹿にするように💛🌸ちゃんが「ちっちゃーい！」なんて口にしてからこの仲が続いている。

　それに少し性格が似ているからなのか、同族嫌悪を引き起こしている気がした。

　仲良くしてくれ……。

「あー〜！二人ともごめんなさいしないとだめなんだよーっ」
「ケンカよくなぁーい！」
「う、」

　一部始終を見ていたのかまひとくんと💖🌸ちゃんが少し頬を膨らませながら喧嘩している二人の前に現れた。

　お。
　これは仲直りのチャンスかな……？

「しゆ、男ならばしっと謝っちゃいなってー」
「💛🌸ちゃんもたたくのだめだよー」

　自分たちより小さい子。
　でもきっと二人よりも大人な考えをもつ子達。

　大人の私に言われるよりも友だちに言われた方が効果があったのか、涙目になりながら反省するしゆんくんと💛🌸ちゃん。

　しばらくして二人の口から謝罪の言葉が出てきた。

「……ゴメンね」
「……ごめん、」

　しーん、と。静まり返ってしまった教室内。
　先程まで泣き声があったとは思えない程の静かさだ。