📕「死がつつむまで」 ページ2
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二人で選んで買った小さめのソファーに座ってスマホを触っている初々。きっと今はリスナーであるうぶちゃんに返事をしていたり、エゴサをしていたのだろう。
そんな活動の時間に申し訳ないなとも思いつつ、彼女は初々の隣に座った。
彼女に気がついた初々は直ぐにスマホの電源をオフにしてテーブルの上に置く。何よりも優先したいのが初々の中では彼女であるという証拠だ。
「ちゅちゅくん、あの……」
「ん？ どうしたのぉ？」
「えっとね。その。前から気になってたことがあって……！」
「？ なぁに？ 気になってる事って」
配信の時よりももっと甘くゆったりとお話をする初々は彼女をしっかりと見つめている。彼女も負け時とまっすぐ初々の水色の瞳を見つめ返した。
「その……。えっとね？？」
「あはっ……。言い難いことだったらぁ、ゆっくりで大丈夫だよぉ？ ゆっくり。落ち着いて？」
「う、うん……」
よしよしと。彼女のふわふわな黒髪に触れる初々。毎日お風呂上がりに初々が彼女の髪を乾かしているからか、美容院に行った後のような艶と質。
特にストレスは無さそうだなと思いながら、彼女の頭を撫でるのをやめて再度見つめ合う。
「……手、握ってもいい？」
「えっ！ な、なんで？？」
初々の突然さは理解しているつもりだったが、急にくる甘さにはまだ慣れていない。
「んー？ ……アンタのこと、大好きだよぉ〜〜って伝わるように。かなぁ？」
「ふふっ、伝わってるよぉっ」
「そう？」
「そうだよ」
「触れるね？」と彼女の白い手のひらの上に初々の手が重なる。身長が低めの男の子ではあるが、やはり体つきは当然男の子で彼女よりも少し大きくて硬い。
やっぱり、男の子だなぁ。
私とそんなに背、変わらないはずなのに……。
昔から、特に理由は無かったのだが小中高と女の子ばかりの中で生活をしていたせいで男性への免疫がなくなってしまった彼女はこういう行為に緊張してしまう。
もちろん彼氏である初々の事は心から大好きだし、もっと触れたいとも思っている。それが初々にはあまり届いていなかった。
「じゃあ、……少し寂しい顔しちゃってるのは、……僕の気のせい？」
「え、」
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作者名：Stellar | 作成日時：2023年2月26日 18時
