【完】One Knight / KnightA + Y (ページ41)

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日常ページ41

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「そういえば、今日は私服じゃん」
「あっ、いや、結構ラフで……、」
「へぇ。普通の日のお前ってそんな感じなんだ」

　タクシーが捕まるまでの時間のおしゃべり。会うと分かっていたらもう少しくらいはオシャレをして来ていたというのに、荷物を取りに行くだけだからと部屋着に近い服装で出歩いてしまってた。

「お恥ずかしいです……、」
「いいじゃん、ふつーに。……割とすき」
「え、」

　遮るようにゆきむらさんが手を挙げて右側からやってきたタクシーを止める。自動で開いたドア。そこから「すみません、荷物あるんで」とタクシーの運転手に彼が伝えると深く突っ込むまもなく後部座席に私を案内する。

「次の夜、待ってる」

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　って言われて早三日が経過したわけなのですが。ココ最近残業続きでクマもすごい。両親に「そんなに無理して働かなくてもいいんじゃない？」と言われてしまったが、仕事でもしてないとあの時の台詞が頭の中で繰り返されて心臓がどうにかしてしまいそうなのだ。

　もう、無視。考えない、考えない……、かんがえない……。

「あっ、」
「終わったーー！先輩！
ここ最近つめつめスケジュールでしてたのでやっと終わりましたよ！！」
「あ、うん……。おわっちゃった、……おわっちゃったなぁ、」
「なんでそんな元気ないんですかっ！まだ定時前ですよ？チェックはアタシやっておくんで！先輩久しぶりに早く帰ってカレシさんとゆっくりしてくださいよーっ！」
「あ、あは……、あはは……、」

　いい後輩を持って良かったと日々思っているが、今日ばかりはちょっと憎たらしく見えてしまう。ごめんね、いい子なのに。
　いい子なんだけど、私は仕事をしていたかったし、彼氏のことは出来れば忘れていたかった。

　でもここでみなまで言ってしまえば後輩の大きな「ええっ！！？カレシさんと別れたーー？！」なんて声がフロア全体に響き渡ってしまいそうなので苦笑いで済ませておく。

　面倒事やプライベートは会社に持ち込まないのが一番いい。
　人生において大事な事だ。

「私もやっぱり確認くらい」
「何言ってるんですかっ！いつも助けて貰ってばかりだからお礼したいんですよっ！」
「う、うーん、」
「お願いします、先輩！休んでください……！！」
「…………はい、」