Day.17 寝起き ページ5
夢の中で見たそれを忘れてしまうほど、朝目を覚ましたら好きな顔がある。まだ働かない頭で無意識に彼女はばぁうくんの頬に触れた。
てるとくんが気持ちよくてついつい触っちゃうという柔らかいスベスベ肌。ひんやりと冷たい頬を撫でて、もう少しばぁうくんにくっついて眠る。ぎゅっと自分から抱きついてみて、脚を絡ませる。起きる気配はなくて、ぐっすり眠る彼。
「ばぁうくん、」
「……」
名前を呼んでも返事をしてくれない。そんなに綺麗な顔をして眠っていると死んでしまったんじゃないかと思うくらい動かないからちょっぴり不安。早く声が聞きたいのに、なんてこんなに近くに居るのに思ってしまうのだ。
「あのね、ばぁうくん、私ね、」
「……」
規則正しい寝息に言うのを諦めてしまいそうになる。ばぁうくんが起きていてもちゃんと伝えられるか分からない約束。昨夜はばぁうくんか配信で1人で眠りについた。そんな夜が週に2、3回ある。悲しくないと言えば嘘だが、悲しいと言えば捨てられてしまうんじゃないかという不安がある。
あの雨の日。あのオフのショッピングモール。顔も見たことの無いリスナーさんに少しだけモヤっとした心がなんなのか彼女は知らない。苦しい。逃げたい。そんな気持ちに襲われる。
捨てないで。
ちゃんといい子にするから。
ばぁうくんしか私にはいないから。ばぁうくんは私の神様だから。
「ばぁうくんが、だいすき」
「……」
瞳に涙を溜めた彼女。これを本人に伝えればきっと気分次第で返事が違うんだろうが今は受け入れて欲しかった。
ごめんなさい。ばぁうくんのものなのに、他の女の子と喋ってるのが嫌と思ってしまって。ばぁうくんのためだけに心を動かすって決めたのに、出来なくてごめんなさい。
「……、」
「……」
「……うくん、」
「ん……、なに。……おまえ。もう起きてんの、まだ寝てなって」
ぎゅっとばぁうくんの方へ引き寄せられて、胸があたり、頭の上にあごが乗る。さっきのあの一瞬だけ起きたらしいばぁうくんは彼女をしっかりと抱きしめると再び眠りについた。
こういうところだ。彼から離れられないところは。
「だいすき」
もっと強くしがみつく彼女の声を聞きながら、ばぁうくんはふふっと笑う。お前は知らないかもしれないけど、ちゃんと全部聞こえてんだよ、こっちは。
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こうは＃琥珀糖(プロフ) - 完結おめでとうございます！完結して寂しいような、嬉しいような……そんな気持ちでいっぱいですｗ もし、他のメンバーさんでも書いていただけるならぜひ読みたいです！ (2022年9月7日 18時) (
レス) @page36 id: 908f16ce99 (このIDを非表示/違反報告)
アや(プロフ) - 更新ありがとございます！この作品大好きです！ (2022年9月3日 9時) (レス) @page24 id: df745531ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Stellar | 作成日時：2022年7月1日 11時
