Day.28 誕生日 ページ28
そわそわ落ち着かない誕生日はいつからだっただろうか。
彼女の中の誕生日の記憶といえばいつもと変わらない日常だったはず。誰からも祝われることなく、ただ通り過ぎていく1日でしか無かった。
同級生の友達が家で誕生日パーティーを開いた時、煌びやかなあの中心に憧れた。その家では誕生日の日に部屋を飾り付けて、好きな食べ物が並んで、プレゼントをもらって、最後にケーキを食べるらしい。いちごの乗ったショートケーキを初めて食べたのはその時だった。
「おいしい……、これ、本当にいただいていいんですか……？」
「いいに決まってるじゃーんっ！ こんなのいつでも食べられるし！ ねっ、まま！」
『いつでも』その言葉を聞いて、あぁ、私には無縁の食べ物なんだなと幼い彼女は思っていた。
皆の普通と自分の普通が違う。
皆のいつもが自分のいつもと違う。
もう一生食べられないと思っていたケーキを大事に大事に食べていたのはもう何年も前の話だ。
「ん。これ。今日お前誕生日でしょ」
「え、」
白い箱をもって帰ってきたばぁうくん。その箱の中身がなんなのか、どうして誕生日にプレゼントがあるのかイマイチ分かってなかったが素直に彼女は受け取った。
「……なんで……？」
「え、なんでって。誕生日ケーキだよ。あれ、お前ケーキ嫌いだったっけ？」
「ううん……、嫌いじゃないけど……、なんで？」
「は？ なにが」
「えっと、だから……、」
理解が追いつかない。どうしてばぁうくんがわざわざ自分の誕生日を祝ってくれるのかとか、ケーキを買ってきてくれたのかとか、当然のようにやってのけるばぁうくんが凄いと思ってしまった。
もちろんばぁうくんからしたら誕生日はお祝いごとなワケで、ケーキもあれば、彼女にだってプレゼントを選んで買ってきた。嬉しいって喜んでくれると思っていたのに予想外の反応で少し戸惑ってしまう。
「今まで誕生日の日どう過ごしてきたの、お前」
「え、……えっと。親戚のみんな、私の誕生日しらないから」
「ふーん」
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こうは＃琥珀糖(プロフ) - 完結おめでとうございます！完結して寂しいような、嬉しいような……そんな気持ちでいっぱいですｗ もし、他のメンバーさんでも書いていただけるならぜひ読みたいです！ (2022年9月7日 18時) (
レス) @page36 id: 908f16ce99 (このIDを非表示/違反報告)
アや(プロフ) - 更新ありがとございます！この作品大好きです！ (2022年9月3日 9時) (レス) @page24 id: df745531ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Stellar | 作成日時：2022年7月1日 11時
